Jul 03, 2026 column

A24ホラーの新たな到達点 『ブリング・ハー・バック』が突きつける、劇場映画だからこその“逃げられない痛み”

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A24が世に放ったホラーの新たな金字塔『ブリング・ハー・バック』。『TALK TO ME』のフィリッポウ兄弟が手がけた最新作は、降霊・きょうだい・歪んだ親子愛という共通テーマを携えながら、前作をも凌ぐ容赦ない《痛み》の描写で観客を逃さない。サリー・ホーキンスの怪演、グリム童話的恐怖の構造、そして劇場映画だからこそ成立する暴力表現の真意とは? 7月10日 (金) の公開に向け、その魅力と覚悟を徹底解説する。

2012年に設立され、10年強で世界的映画ブランドへと成長したA24。その興行収入トップ10をご存じだろうか。2026年6月末現在の順位は以下の通り。

1.『バックルームズ』(2026)

2.『マーティ・シュプリーム 世界をつかめ』(2026)

3.『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』(2022)

4.『ドラマなふたり』(2006)

5.『シビル・ウォー アメリカ最後の日』(2024)

6.『マテリアリスト 結婚の条件』(2026)

7.『TALK TO ME/トーク・トゥ・ミー』(2023)

8.『ヘレディタリー/継承』(2018)

9.『レディ・バード』(2017/US公開)

10.『ムーンライト』(2016/US公開)

スポーツ、恋愛、コメディ、社会派サスペンスほかジャンルを問わずにエッジーな切り口で成果を出していることがよくわかるが、その中でも5月に封切られるや史上最高のヒットを記録し、いまなお数字を伸ばし続けている『Backrooms』を筆頭に、ホラーが3本を占めている。A24印の人気監督アリ・アスターの長編デビュー作『ヘレディタリー』、そして双子YouTuberであるフィリッポウ兄弟による『TALK TO ME』だ。こちらは2023年のサンダンス映画祭で話題を呼んだオーストラリア産ホラーであり、A24が米国配給権を勝ち取った。『バックルームズ』に抜かれるまでは《A24のホラー王者》として君臨していたわけだ。同社は新進気鋭のクリエイターを発掘し、継続的に組むスタイルで知られている。『TALK TO ME』を機にフィリッポウ兄弟とも蜜月関係が築かれ、次作も手がけることとなった。それが日本で7月10日に劇場公開を迎えるホラー『ブリング・ハー・バック』だ。若者たちが降霊術に興じた結果、大変な目に遭う『TALK TO ME』に続き、今回も「降霊」「きょうだい」「歪んだ親子の愛」といった要素が探求されている。