Oct 01, 2017 column

『ひよっこ』ロスなあなたに。脚本家・岡田惠和氏に、あの疑問、この疑問を聞いちゃいました!その2

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ビートルズの楽曲を使えないからこそ生まれた熱

──ドラマにありがちな価値観の対立がほとんどないですよね。波風が立たないように生きようと誰もが気を使っている。特にみね子がそうでした。でも、裏ではいろいろ悪意ではない範囲で、考えている。そこで、思ったのは、岡田さんはみね子みたいな人じゃないかって(笑)。

争いごとを嫌うのはありますね(笑)。

──と思ったのは、昔のエッセイ集『ドラマを書くーすべてのドラマはシナリオから始まる……』(ダイアモンド社)で、文章に( )がすごく使われていたからなんです。

こうは言っても、実はこうっていうふうな書き方ですよね。そういうところありますね(笑)。

──岡田さんは、いつもこちらの質問に「そうです」って言って乗っかりながら、話を膨らませてくれる人ですよね。

その場だけなんだけどね(笑)。

 

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──だから、今回のインタビューでは、私が引っ掛かった部分や、私の解釈はできるだけ言わないようにしたいと思っていたんですよ(笑)。岡田さんの話したいことを話してほしいと思って(笑)。

そういう意味でいえば、僕は、ふつうはあまり描かれない人を描きたいと思う気持ちが強いです。時代でいうと、年表に書かれない人、を書きたい。ある出来事に日本中が熱狂っていうとこが年表に書かれているとき、そんなわけないって思うわけですよ。例えば、ビートルズが来日して、日本の若者が熱狂したと、新聞や雑誌には書いてあるけれど、『ひよっこ』では、ビートルズを知っているのは、宗男とヤスハルと早苗(シシド・カフカ)くらい。実際、そういうものなんじゃないかなと僕は思っていました。集団就職も、歴史上に残っているのは、青森や秋田、山形から蒸気機関車に乗ってくる中卒の子のことを、“金の卵”と呼んで、マスコミが大々的に取り上げていたので、最初『ひよっこ』で、茨城から集団就職で東京に出てくるという設定は、そういう子たちがいたのか? と疑問も出ました。でも、茨城からもそれなりにいたし、高卒も何割もいたんです。でも、そういうことは公にはあまり語られない。だからこそ、そういう人を主人公にしたかったという気持ちはありました。

──音楽好きの岡田さんは、あの時代の、ビートルズ来日の熱狂を書きたかったのかと思っていました。

ビートルズは書きたかったけれど、みんなが熱狂していたわけではないことを書きたかったんです。その時代を過ごした方の音楽系の評論を読むと、ビートルズを知っている人はクラスにひとりふたりで、あとは普通に歌謡曲などを聞いていたようですよ。東京はカルチャーに敏感な子が多かったでしょうけれど、地方はそうでもない。そういうことをリアルに描きたいと思っていたし、実際、ビートルズが赤坂のヒルトンホテルに泊まっていたとき、街の人が、なんだ? と思ったり、繁盛してラッキーと思っていたり、その程度のものだったという感じは書きたかったことです。