コラム 佐々木誠の『映画記者は今日も行く。』第236回
『劇場版「鬼滅の刃」 無限列車編』の東京スカイツリー点灯イベントが10月11日に行われ、声優キャストの花江夏樹、鬼頭明里、下野紘、松岡禎丞、主題歌を担当したLiSAが出席した。
吾峠呼世晴による原作コミックスはシリーズ累計1億部を突破、昨年待望のテレビアニメ化を果たすとこちらも人気を呼び、今や日本のみならず世界各地から熱い視線が注がれている「鬼滅の刃」。
そんな“鬼滅”で、主人公・竈門炭治郎の声を務める花江は「炭治郎は優しくて綺麗な心と、真っ直ぐ折れないハートを持っているので尊敬します。(アフレコでは)禰豆子のために鬼を討つんだという気持ちを曲げないよう心掛けていました」と振り返ると、その禰豆子こと炭治郎の妹で鬼化してしまった竈門禰豆子の声を務める鬼頭は「竈門兄妹はお互いを想っているというか、炭治郎は禰豆子がいるから頑張れるし、禰豆子も優しい炭治郎がいるから我慢できていると思うので、そういった素晴らしい兄妹愛を意識しながら演じていました。禰豆子は「ん〜」しか言えないんですが、大好きな炭治郎への絆はずっとあるのでそれを忘れずに」と明かしていた。
一方、炭治郎の同期の鬼殺隊剣士で「雷の呼吸」の使い手である我妻善逸の声を務める下野は「伊之助と善逸が出てきてから賑やかになった気がしますよね。ただただシリアスな内容ではなくなったというか。でもそのギャップとして戦いはカッコよく見せてますけど」と口にすると、同じく炭治郎の同期で猪突猛進な鬼殺隊剣士・嘴平伊之助の声を務める松岡が「テレビシリーズを通して仲良くなりましたよね?」と問い掛け、「どうですか? 花江くん」と名指しする下野に、「それはヒシヒシと感じています。いいチームになってるなぁって」とうなずく花江だった。
さらに、10月16日からいよいよ劇場公開される『劇場版「鬼滅の刃」 無限列車編』。そのアフレコ収録について花江は「いいアフレコでしたねぇ。役者同士の化学反応というか、みんなの気合いがぶつかり合ってできた作品だと思います」と熱く語ると、松岡も「俺、これで声優人生終わってもいいって思った」と燃え尽きた様子。続けて鬼頭は「みんなが集まってのアフレコ自体が久々だったので嬉しかったです。始まる前は「久しぶりだなぁ」っていう気持ちでいたんですが、始まったらいつもの感じに戻れましたね」と吐露すると、花江は「俺は緊張してたけどね。「水の呼吸!!」って言えるかな? って(笑)。でも、ちゃんと体に染み込んでました」と照れ笑いを浮かべていた。
また、先日放送された「アニメソング総選挙」では、もはや殿堂入りを果たしてもおかしくない『新世紀エヴァンゲリオン』の主題歌「残酷な天使のテーゼ」(高橋洋子)に続き、堂々の第2位にランクインしたLiSAの「紅蓮華」。今回の劇場版でも引き続きLiSAが主題歌を担当しており、新たな楽曲「炎(ほむら)」(梶浦由記との共作)を歌い上げている。LiSAは「「無限列車編」は原作の中でも好きでしたし、みんなも気合いが入ってましたね。映画を観た皆さんが、作品のことを引きずりながら帰ってもらえるように、分かりやすい言葉遣いを気にしながら制作していました」と曲作りへのこだわりを打ち明けていた。
なお、点灯式には各キャラクターの着ぐるみも登場。花江のカウントダウンとともにスカイツリーが“炎色”にライトアップされた。
『劇場版「鬼滅の刃」 無限列車編』(東宝/アニプレックス配給)は、累計発行部数1億部を突破した、吾峠呼世晴による大人気コミックスを原作に、テレビアニメ版「竈門炭治郎 立志編」最終回のその後の物語を描いた劇場版アニメーション。
監督:外崎春雄
脚本:ufotable
声の出演:花江夏樹、鬼頭明里、下野紘、松岡禎丞、日野聡、平川大輔ほか
10月16日(金)より全国公開。
(C) 吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable