Aug 24, 2017 news

クリストファー・ノーランが創り出す“本物”の世界に、山崎貴監督が激しく嫉妬

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コラム 佐々木誠の『映画記者は今日も行く。』第126回

7年ぶり4回目の来日となったクリストファー・ノーラン監督が、8月23日に丸の内ピカデリー1で行われた、映画『ダンケルク』のジャパンプレミアに出席した。

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ノーラン監督は、作品の題材となった[ダンケルクの戦い]について「私は英国人だから子どもの頃から聞かされてました」と話し始めると、本作は英国の物語ではあるが、普遍性のあるシンプルなストーリーと、越えられない壁を越え、窮地から勝利を勝ち取るというヒューマン・ストーリーに関しては「世界中に投げ掛けられると思った」と、その想いを語っていた。

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また、壇上にはゲストとして、過去に『永遠の0』(2013年公開)で戦争映画のメガホンを執った経験のある山崎貴監督が登場。

「映画は別世界に連れて行ってくれるのが大きな魅力」とし、ノーラン監督の『インターステラー』(2014年公開)が特に好きで、「本当に宇宙に行って撮ってきたように感じました」と、興奮気味に語る山崎監督は、一足早く今回の『ダンケルク』の“究極映像”を体験し、「ずっとドキドキしてました。まぁ、戦場に行ってきましたね。映画というより体験でした。本当に爆発してるし、本当に沈んでるし、出てくるモノが全て本物なので卑怯だなと(笑)、羨ましいなぁと思いました」と、予算の関係でCGに頼りがちな自身の境遇を嘆き、ノーラン監督に激しく嫉妬する山崎監督だった。

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一方のノーラン監督は、実際に山崎監督の『永遠の0』も拝見したと言い、「予算の関係でとおっしゃってましたが、その中でも物凄く良いモノを作ってるなと感じました。素晴らしかったです」と賞賛。CGを使わない“本物”の映画を作るにはハリウッド並みの予算が必要となるが、自分はそのチャンスに恵まれていることに感謝していたノーラン監督だった。

その後も、ノーラン監督の映画作りの“極意”を盗もうと、矢継ぎ早に質問を重ねる山崎監督。それに一つ一つ丁寧に答えていったノーラン監督は、<緊張感の保たせ方>について「それに関しては脚本の段階から考えてました。サスペンス・スリラー的な手法をとろうと思い、(アルフレッド・)ヒッチコック監督や(アンリ=ジョルジュ・)クルーゾー監督のアプローチを参考にしました」と明かしてくれたのであった。

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映画『ダンケルク』(ワーナー配給)

映画『ダンケルク』(ワーナー配給)は、史上最大の救出作戦と言われる「ダイナモ作戦」が展開された、第二次世界大戦のダンケルクの戦いを描いた戦争ムービー。

監督・脚本:クリストファー・ノーラン 出演:フィオン・ホワイトヘッド、トム・グリン=カーニー、ジャック・ロウデン、ハリー・スタイルズ、アナイリン・バーナード、ジェームズ・ダーシー、バリー・コーガン、ケネス・ブラナー、キリアン・マーフィ、マーク・ライランス、トム・ハーディ ほか

佐々木誠

「日刊 情報プレス」編集者 (有)情報プレス社が発行する「日刊 情報プレス」は、映画業界のニュースやイベント、興行成績、劇場公開情報など、映画に関する様々な情報を掲載。また、Facebookページでは、【情報プレスα】(www.facebook.com/joho.press.jp)として、映画の舞台挨拶やイベントの模様を面白可笑しく掲載中。日々アップしている。