『月』『舟を編む』の石井裕也監督が池松壮亮を主演に迎えて贈る最新作、映画『本心』の新場面写真が公開された。
本作は、急逝した母が実は“自由死”を望んでいたことを知り、その母の“本心”を知るためAIで彼女を蘇らせるという、未知の領域に足を踏み入れた青年・石川朔也と、彼を取り巻く人間の【心】と【本質】に迫るヒューマンミステリー。キャストには、主演に池松壮亮。共演に、三吉彩花、水上恒司、仲野太賀、田中泯、綾野剛、妻夫木聡、田中裕子ら、映画界を牽引する豪華実力派俳優陣が集結する。
原作は、2019年に新聞連載が開始され、2021年に出版された、平野啓一郎による同名長編小説。小説では、2040年代を舞台にした“未来の物語”として描かれていたが、現実では想像を超える速度でテクノロジーが発展していることも鑑み、映画の舞台設定は「今から地続きの少し先の将来(始まりは2025年)」へと前倒しされた。現に“亡くなった人をAIで蘇らせる”サービスはアジア各国などで既にビジネス展開されており、多くの論争を生んでいる。
この度公開された写真では、本作に登場する「リアル・アバター」や「ヴァーチャル・フィギュア(VF)」など、テクノロジーの進化の先で待ち受ける“近い将来”を描く場面が切り取られている。
母を亡くした朔也(池松壮亮)は、“自由死”を望んでいた母の本心を知るため、VF技術を開発した技術者・野崎将人(妻夫木聡)に依頼し、AIで母親を蘇らせる。最初こそ不安を抱いていた朔也だが、まるで本当に生きているかのようなVFの母親、そしてひょんなことから同居することになった生前の母親の親友・三好彩花(三吉彩花)とともに、他愛もない日常を取り戻していく。しかし、VFは次第に“息子の知らない母親の一面”をさらけ出して‥‥。
また、ある事故をきっかけに昏睡状態に陥り、目覚めたころには職場がロボット化され、失業に追い込まれた朔也は、幼馴染の岸谷(水上恒司)の紹介で、リアル・アバターの仕事を始める。病室から動けず、最期の時間を思い出の地で過ごしたいと願う若松(田中泯)からの依頼をはじめ、様々な顧客による際限のない要求、時に悪意のある理不尽な命令が、次第に朔也の心を錯乱させる。
本作では、VFやリアル・アバターのほかにも、朔也の母親のように個人が自分の“死”の時期を選ぶことのできる<自由死>という制度が施行されているなど、人間の存在価値が尚一層問われ、個々人の欲望がさらにエスカレートする時代が描かれる。AIで 心を再現したとき、人は何を失い、何を見つけるのか。そしてAIは人間の“本心”までをも再現できるのか。
映画『本心』は、2024年11月8日(金)より全国ロードショー。
工場で働く青年・朔也は、同居する母から仕事中に電話が入り「帰ったら大切な話をしたい」と告げられる。帰宅を急ぐ朔也は、途中に豪雨で氾濫する川べりに母が立っているのを目撃。助けようと飛び込むも重傷を負い、昏睡状態に陥ってしまう。目が覚めたとき母は亡くなっていて、生前“自由死”選択していたと聞かされる。また、ロボット化の波で勤務先は閉鎖。朔也は、唯一の家族を失くし、激変した世界に戸惑いながらも幼なじみの岸谷の紹介で「リアル・アバター」の仕事を始める。仮想空間上に任意の“人間”を作る「VF(ヴァーチャル・フィギュア)」という技術を知った朔也は、「母は何を伝えたかったのか?どうして死を望んでいたのか?」を解消したい気持ちから、なけなしの貯金を費やして開発者の野崎に「母を作ってほしい」と依頼するが‥‥。
監督・脚本:石井裕也
原作:平野啓一郎「本心」(文春文庫 / コルク)
出演:池松壮亮、三吉彩花、水上恒司、仲野太賀、田中泯、綾野剛、妻夫木聡、田中裕子
配給:ハピネットファントム・スタジオ
©2024 映画『本心』製作委員会
2024年11月8日(金) TOHO シネマズ 日比谷ほか全国ロードショー
公式サイト happinet-phantom.com/honshin