1955年8月28日にアメリカ合衆国ミシシッピ州マネーで実際に起きた「エメット・ティル殺害事件」。アフリカ系アメリカ人による公民権運動を大きく前進させるきっかけとなったこの事件をもとにした初めての劇映画、映画『ティル』。この度、本作の製作も務めたウーピー・ゴールドバーグが語るインタビュー映像が公開された。
1950年代に起こった「エメット・ティル事件」を題材にした本作。製作プロデューサーを務め、キャストとしても出演するウーピー・ゴールドバーグは、すでに世界的に有名なこの事件を改めて劇映画化することについて「完成に漕ぎ着けるまで長く厳しい闘いでした」と述べる。
「皆もう知ってる話だ、と言われましたよ。ヨーロッパでの集客が見込めないとも」だが「私の出演作は向こうでも人気です」「黒人映画の需要はある」と反論、そんな中、2020年ミネソタ州ミネアポリスで白人警官が黒人男性フロイド氏を暴力で死亡させるという「ジョージ・フロイド殺害事件」が発生したことで、風向きが変わったという。
「国全体が“いい加減にしてくれ”と立ち上がりました、黒人の物語にも注目が集まったので、“ぴったりの題材がある”と改めて提案したわけです」と明かす。
ほか、自身が演じたエメット・ティルの祖母の役柄について、また、物語全編を通して描きたかった、いつの時代も普遍的な“子を持つ親の葛藤”なども振り返りながら、改めて「最近のアメリカではこうした歴史が語られなくなってきてますから」と懸念、本作公開の意義を語っている。
映画『ティル』は、2023年12月15日(⾦)より全国ロードショー。
1955年、イリノイ州シカゴ。夫が戦死して以来、空軍で唯⼀の⿊⼈⼥性職員として働くメイミー・ティルは、⼀⼈息⼦で14歳のエメット、愛称ボボと平穏な⽇々を送っていた。しかし、エメットが初めて⽣まれ故郷を離れ、ミシシッピ州マネーの親戚宅を訪れた際に悲劇は起こる。エメットが飲⾷雑貨店で⽩⼈⼥性キャロリンに向けて「⼝笛を吹いた」ことが⽩⼈の怒りを買い、1955年8⽉28⽇、彼は⽩⼈集団にさらわれ、壮絶なリンチを受けた末に殺されて川に投げ捨てられた。我が息⼦の変わり果てた姿と対⾯したメイミーは、この陰惨な事件を世に知らしめるため、常識では考えられないある⼤胆な⾏動を起こす。そんな彼⼥の姿は多くの⿊⼈たちに勇気を与え、⼀⼤センセーションとなって社会を動かす原動⼒となっていく。
監督・脚本:シノニエ・チュクウ
製作:ウーピー・ゴールドバーグ
出演:ダニエル・デッドワイラー、ウーピー・ゴールドバーグ、ジェイリン・ホール、ショーン・パトリック・トーマス、ジョン・ダグラス・トンプソン、ヘイリー・ベネット
配給:パルコ ユニバーサル映画
© 2022 Orion Releasing LLC. All rights reserved.
2023年12月15日(⾦) TOHO シネマズシャンテほか全国ロードショー
公式サイト till