Mar 08, 2024 news

映画『パスト ライブス/再会』など、監督たちの実体験をもとに描かれた“オートフィクション映画”の名作4選

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第96回アカデミー賞で作品賞、脚本賞にノミネートされている、映画『パスト ライブス/再会』。本作で長編映画監督デビューを飾るセリーヌ・ソンは、12歳の時、家族とともにソウルからトロントへ移住し、その後ニューヨークに移った自身の原体験を元にオリジナル脚本を執筆した。

セリーヌ・ソンによる本作と同様に、A24が携わり、世界で一躍脚光を浴びることとなった監督たちの長編映画デビュー作には、自身の実体験を基に描いた“オートフィクション映画”が多く存在する。その中でもひと際注目を集めた“オートフィクション映画の名作”をピックアップしたい。

『パスト ライブス/再会』

初めて恋をしたふたりは、24年後、NYで再びめぐり逢う。

ソウルに暮らす12歳の少女ノラと少年ヘソンは、お互いに恋心を抱いていたが、ノラの海外移住により離ればなれになってしまう。12年後24歳になり、ニューヨークとソウルでそれぞれの人生を歩んでいたふたりは、オンラインで再会するが、お互いを想いながらもすれ違ってしまう。そしてさらに12年後の36歳、ノラ(グレタ・リー)は作家のアーサー(ジョン・マガロ)と結婚していた。ヘソン(ユ・テオ)はそのことを知りながらも、ノラに会うためにニューヨークを訪れる。24年ぶりにやっとめぐり逢えたふたりの再会の7日間。ふたりが選ぶ、運命とは。

2024年4月5日(金)より全国公開


『aftersun/アフターサン』

20年前のビデオテープに残る、11歳の娘と父のまばゆい数日間。

思春期真っただ中のソフィ(フランキー・コリオ)は、離れて暮らす若き父・カラム(ポール・メスカル)とトルコのひなびたリゾート地にやってきた。輝く太陽の下、カラムが入手したビデオカメラを互いに向け合い、親密な時間をともにする。20年後、カラムと同じ年齢になったソフィは、映像のなかに大好きだった父の、当時は知らなかった一面を見出してゆく。

1987年生まれのシャーロット・ウェルズが初めて手掛けた長編映画。カンヌ国際映画祭批評家週間での上映を皮切りに話題を呼び、カラム役を演じたポール・メスカルが第95回アカデミー賞で主演男優賞にノミネートされるなど高く評価された本作は、シャーロット自身が実際に若き日の父と過ごした夏休みの思い出をベースにした物語が描かれる。

U-NEXTなどで配信中(日本公開:2023年5月26日)