May 17, 2022 news

“神がかっていた” 突然の砂嵐を利用して撮影 映画『ワン・セカンド 永遠の24フレーム』メイキング映像が公開

A A
SHARE

これまで3度米アカデミー国際長編映画賞にノミネートされ、多くの映画祭で華々しい受賞歴を誇る中国の巨匠チャン・イーモウ監督の最新作、映画『ワン・セカンド 永遠の24フレーム』。

フィルムの中にたった1秒だけ映し出されているという娘の姿を追い求める父親(チャン・イー)と、幼い弟との貧しい暮らしを懸命に生き抜こうとする孤独な少女(リウ・ハオツン)。文化大革命時代の中国、広大な砂漠を大胆に映し出す圧倒的な映像美を背景に、娘への父の想いを描いた本作は、長年チャン・イーモウ監督が映画化を熱望していた企画であり、作品全体にあたたかく流れるのは、チャン・イーモウ監督の確かな”映画への愛”。

映画本編の前に流れるニュース映画に1秒だけ映っているという娘の姿をみるために強制労働所から脱走したチャン・イー演じる男が、広大な砂漠を黙々と歩いていく、本作のファーストカットの撮影に臨むも突然砂嵐が発生。混乱する中、監督の判断で撮影を決行していく様子をとらえた貴重なメイキング映像が公開された。

砂嵐が吹き荒れる中、撮影機材をあわててブルーシートで保護し、チャン監督も俳優に待機するよう伝えるが、一向に天候は回復しない。考慮の結果、砂嵐を利用して撮影をすることに。「撮ろう。カメラ2台準備」と指示するチャン監督の声で現場が一気に撮影準備に動き、視界も悪い砂嵐の中、チャン・イーが砂漠を足早に歩く様を撮影していく。

砂嵐のあとには雹まで降ってくる悪天候だったが、俳優、スタッフ一丸となり撮影を進めた結果、風がすごく強いため早歩きなのが、「迫られてる感じが生き生きとしてて、すごくいい」と映像を確認し頷く監督。そして「時の運だ。映画の始まりに合う。神がかってた」とチャン・イーと話すチャン監督の表情からも自信が感じられ、本編シーンがより楽しみになる。

「映画を愛するすべての人に捧げる」というチャン・イーモウ監督の思いを受け、本作を鑑賞した井上順 氏(エンタテイナー)、そして全国のミニシアターから感動の声が続々と到着。コロナ禍の2020年73歳のときにはじめたTwitterも話題の井上氏は「映画によって、多くを学んで来た。そして、この映画の優しさに触れ、またひとつ、心のひだが増えた。ありがとう!!」と絶賛。

また、昭和28年創業、親子三代で劇場を運営し続ける三重県の進富座・水野昌光 氏は「映写機の油の匂い、スプロケットの音、ランプハウスから漏れる光‥‥フィルムを生き物のごとく扱っていたあの頃を思い出し、胸が熱くなった」とコメント。大正11年創業で芝居小屋から始まった歴史ある長野県の東座・合木こずえ 氏は「冒頭のフィルム缶を見ただけで涙がこみ上げた。「映画が観たくてたまらない」人々の渇望と歓びが全編に溢れている。」そのほか、シアターキノ(北海道)、立川シネマシティ(東京)、センチュリーシネマ(愛知)、京都シネマ(京都)、八丁座・サロンシネマ(広島)、桜坂劇場(沖縄)と、劇中のファン電影のごとく、映画館の灯をまもり続ける方々からの感動の声が寄せられた。

それに対し、チャン・イーモウ監督から、コロナ禍で大変な状況にある日本の映画館へ特別エールを送っている。コロナ禍において「人々は安心して映画館で映画を観ることができず、世界的に映画の興行収入は減少しています。その上、オンラインや動画配信サイトなどの新しいプラットフォームがもたらした映像産業が台頭し、伝統的な映画館は大きな打撃を受けています」としたうえで、「でも私は常にこう思っています。映画は映画館で観るからこそ面白いのです。皆で一か所に集まって映画を観るスタイルは最も心惹かれるものです。それは、100年以上もの間、人類と共に存在してきた生理学的な「磁場」です。映画館が今後も消えないこと、そしてこれからも続いていくことを願っています」と熱く断言。

そして「映画館は、現在、これまでで最も困難な時期を迎えています。みなさんがこの困難を乗り越えられることを願っています。映画が死を迎えることはありません。映画館も消えません。たとえ違うスタイルに取って代わられたとしても、永遠に我々の傍にいつづけます。夢はどんな時にも必要なものですから」とコメント。

映画『ワン・セカンド 永遠の24フレーム』は5月20日(金)より公開。

作品情報
映画『ワン・セカンド 永遠の24フレーム』

1969年、文化大革命真っただ中の、激動の中国。造反派に歯向かい、西北部にある強制労働所送りになった男は、妻に愛想を尽かされ離婚。最愛の娘とも親子の縁を切られてしまう。数年後、22号という映画本編の前に流れるニュースフィルムに、娘の姿が1秒だけ映っているとの手紙を受け取り男は、一目娘の姿を見たいと強制労働所から脱走。逃亡者となりながらも、22号のフィルムを血眼になって探し続け、映画が上映される予定の小さな村の映画館を目指す。だがフィルムを村まで運ぶ男の隙をついて、素早くのフィルムの1缶を盗み出す子供を目撃。ボロボロの格好をした小汚い少年だと思ったその子供は、孤児の少女・リウだった。

監督・脚本:チャン・イ―モウ

出演:チャン・イー、リウ・ハオツン、ファン・ウェイ

配給:ツイン

©Huanxi Media Group Limited 

2022年5月20日(金) 全国公開

公式サイト onesecond-movie.com