Jul 23, 2018

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猛暑を吹き飛ばす熱い想い! こんな大河見たことない『いだてん〜東京オリムピック噺〜』現場ルポ

 

路面電車やクラシックカーが走る駅前広場のシーン

 

新橋駅前の広場には電車も通るようになっている。ワープステーション江戸に新たにできた「近現代エリア(大正・昭和)」はこのエリアをぐるっと一周する路面電車のレールが売りのひとつ。これまで近現代が舞台で路面電車を走らせようと思ったら上海まで行かなければならなかったが、これからはここで可能になった。

金栗や治五郎を応援するのぼりがたくさん立ち、180人強ものエキストラによる見送り人たちが手に手に日の丸の旗を振りながら新橋(志んばしと書いてあった)駅前に群がる中、金栗は駅の入り口で長身の屈強な男性に肩車をしてもらって声援に応える。そこに路面電車が走って来て……という動きのある場面が撮影された。
勘九郎は、今年の1月から身体づくりに入り、体重は落とさず体脂肪を落とし金栗のがっちりした肉体づくりを目指していると言い、引き締まった精悍な体躯になっていた。

 

 

その後に、黒塗りフォードに乗った三島が、天狗倶楽部と共に遅れてやって来て、はかま姿の女性たちの見送り客(菖蒲の花やうちわを持っている)にキャーキャー言われて、「みんなありがとう」と手を振って構内に入っていく場面。ジャニーズの中では俳優業をやっている生田だが、先輩のコンサートのバックで踊っていた経験もあるため、大衆に手を降るときの姿がハマっていた。
高下駄をはき、「TNG」という略称を服につけた天狗倶楽部の面々は現代のパフォーマンスグループのようにも見える。武井は天狗の面をかぶってリーダーとして盛り上げていた。

駅の奥や背景などはCGを用いるというが、制作統括の訓覇圭は、「時代劇のロケは神社や原っぱ、あとはほとんどセット撮影になってしまい当時の空気がなかなか出にくいが、近現代エリアができてすごくありがたい。時代の空気が出ることでなんか違う印象を抱いてもらえるようになればと思います」と話した。ストックホルムには、100年以上前のスタジアムが残っていて、そこで撮影をするという。かなりスケールの大きなドラマになりそうだ。

ロケセットもすごいが、衣装や小道具などディテールも凝っていると俳優たちは口をそろえて讃えた。 「三島弥彦の親族の方がセットや内装を見て感激してくれた。細部に渡って自信をもってお届けできるクオリティーになっていると思います」と生田。
「大河の美術スタッフすてきだ。時間があるとワープステーションを散歩して細かいところを見ています」と永山。「天狗倶楽部はその大切なセットを壊したりしています。今までの大河ではないくらい暴れさせてもらっています」と満島は笑わせた。
「演出家の井上剛さんが昭和から明治をワンカットで、背景や音楽を変えながら撮ろうとしていた」と勘九郎が明かしたが、そんなアイデアもこの広いストロークのある場だからできるのだろう。 「いよいよ放送まで半年を切った」と訓覇。訓覇と井上と宮藤は朝ドラ「あまちゃん」を作ったチーム。きっと大河ドラマをたくさんの創造力でいっそう楽しいものにしてくれるに違いない。
暑さにだけは気をつけて撮影を続けてほしい。

 

文・木俣冬

 

番組情報

 

大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)~」

【放送予定】2019年1月~(全47回)
【主演】中村勘九郎 阿部サダヲ
【収録スケジュール】2018年4月4日クランクイン
【ロケ地】関東近郊、熊本県ほか
【制作統括】訓覇圭 清水拓哉
【プロデューサー】岡本伸三 家冨未央 吉岡和彦(プロモーション)
【演出】井上剛 西村武五郎 一木正恵 大根仁

 

文・木俣冬

 

文筆家。主な著書に「ケイゾク、SPEC、カイドク」(ヴィレッジブックス)、「SPEC全記録集」(KADOKAWA)、「挑戦者たち トップアクターズ・ルポルタージュ」(キネマ旬報社) 、共著「おら、あまちゃんが大好きだ! 1、2」(扶桑社)、「蜷川幸雄の稽古場から」、構成した書籍に「庵野秀明のフタリシバイ」、ノベライズ「マルモのおきて」「リッチマン、プアウーマン」「デート〜恋とはどんなものかしら〜」「恋仲」「IQ246~華麗なる事件簿」など。
エキレビ!で毎日朝ドラレビュー連載。 ほか、ヤフーニュース個人https://news.yahoo.co.jp/byline/kimatafuyu/ でも執筆。
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