Nov 01, 2021 news

“二十世紀の至宝”と謳われた孤高の映画作家カール・テオドア・ドライヤーの特集上映が開催!予告映像&ポスタービジュアルが公開

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“二十世紀の至宝”と謳われ、世界映画史が誇る孤高の映画作家カール・テオドア・ドライヤー監督の特集上映「奇跡の映画 カール・テオドア・ドライヤー セレクション」が、12月25日(土)より開催が決定した。

1889年2月3日にデンマーク・コペンハーゲンで生まれ、79年の生涯で長編14作品を発表したカール・テオドア・ドライヤー。人間、とくに女性の心の本質をフィルムで見つめ続けた、孤高の映画作家。常に独創的で革新的な作品を生み出し、ジャン=リュック・ゴダールを筆頭とした世界の巨匠たちからアルノー・デプレシャンら現代の先鋭たちまで多大なる影響を与え、国や世代を超えて今なお敬愛されてる。

公開された予告映像では、各作品の荘厳で重厚な劇伴にあわせ上映4作品が紹介されている。あわせて公開されたポスタービジュアルは、『裁かるゝジャンヌ』より主人公ジャンヌを演じたルネ・ファルコネッティの物憂げな表情を大胆に配し5色のグラデーションで彩ったもの。

本特集は、すべてデジタルリマスタリングされた素材での上映となり、上映作品は、“人間”ジャンヌ・ダルクを描いた無声映画の金字塔的作品『裁かるゝジャンヌ』、魔女狩りが横行した混沌の時代を映し出した衝撃作『怒りの日』、家族の葛藤と信仰の真髄を問い、ヴェネチア国際映画祭の金獅子賞を受賞した代表作『奇跡』、愛を探し求め続けた一人の女性の姿を完璧な様式美の映像で捉えた遺作にして集大成的作品『ゲアトルーズ』の4作品をラインナップ。

『裁かるゝジャンヌ』は 2015年にフランスのゴーモン社によってデジタル修復された素材によるもので、特集上映「ゴーモン 珠玉のフランス映画史」以来の貴重な上映となり、『 怒りの日 』 『 奇跡 』 『 ゲアトルーズ 』においては、新素材での上映は今回が劇場初となる。

映画評論家の蓮實重彦氏は、「古典的であることが奇跡のように前衛性に通じてしまうドライヤーの作品は、どれもこれもが傑作である。あえて一本というなら『奇跡』を挙げようが、彼のすべての作品を見ていなければ、映画について語る資格はないと断言したい。」 と語っている。

特集上映「奇跡の映画 カール・テオドア・ドライヤー セレクション」は、12月25日(土)よりシアター・イメージフォーラムほか全国順次開催。

作品情報
特集上映「奇跡の映画 カール・テオドア・ドライヤー セレクション」

2021年12月25日(土) シアター・イメージフォーラムほか全国順次開催

ポストカードセット付き4回券はシアター・イメージフォーラムにて発売中
※11月2日(火)よりメイジャー・ネット通販でも販売開始

配給:ザジフィルムズ

公式サイト zaziefilms.com/dreyer2021/

映画『裁かるゝジャンヌ』

ジャンヌ・ダルクは百年戦争で祖国オルレアンの地を解放に導くが、敵国イングランドで異端審問を受け司教からひどい尋問を受ける。心身ともに衰弱し一度は屈しそうになるが、神への信仰を貫き自ら火刑に処される道を選び処刑台へと向かっていく。実際の裁判の記録をもとに脚本化、“人間”ジャンヌ・ダルクを映し出した無声映画の金字塔的作品。

監督・脚本・編集:カール・テオドア・ドライヤー

出演:ルネ・ファルコネッティ、アントナン・アルトー

© 1928 Gaumont

映画『怒りの日』

中世ノルウェーの村で牧師アプサロンと若き後妻アンネの夫婦は平穏に暮らしていた。しかし、前妻との一人息子マーチンが帰郷するとアンネと親密な関係に。そんな折アプサロンが急死し、アンネが魔女として死に至らしめたと告発を受けてしまう。陰影を巧みに使ったモノクロームの映像美で、魔女狩りが横行する時代の複雑に絡み合う関係性を映した衝撃作。

監督・脚本:カール・テオドア・ドライヤー

原作:ハンス・ヴィアス=イェンセン

出演:リスベト・モーヴィン、トーキル・ローセ

© Danish Film Institute

映画『奇跡』

ユトランド半島に農場を営むボーオン一家が暮らしていた。長男の妻で妊婦であるインガーはお産が上手くいかず帰らぬ人に。家族が悲嘆に暮れる中、自らをキリストだと信じ精神的に不安定な次男ヨハンネスが失踪、しかし突如正気を取り戻しインガーの葬儀に現れる。カイ・ムンクの戯曲「御言葉」を原作に、演劇的目線で家族の葛藤と信仰の真髄を問う傑作。

監督・脚本:カール・テオドア・ドライヤー

原作:カイ・ムンク

出演:ヘンリック・マルベア、エーミール・ハス・クリステンセン

© Danish Film Institute

映画『ゲアトルーズ』

弁護士の妻であるゲアトルーズは夫との結婚生活に不満を抱き、若き作曲家エアランとも恋愛関係にある。ある日、彼女の元恋人であり著名な詩人ガブリエルが帰国し祝賀会が催され、ゲアトルーズはエアランの伴奏で歌唱するが卒倒してしまう。愛を探し求め続けたゲアトルーズの姿を完璧な様式美の画面におさめ会話劇に徹したドライヤー遺作にして集大成的作品。

監督・脚本:カール・テオドア・ドライヤー

原作:ヤルマール・セーデルベルイ

出演:ニーナ・ペンス・ロゼ、ベンツ・ローテ

© Danish Film Institute