May 16, 2023 news

濱口竜介、三宅唱がコメント “インディペンデント映画の父”の代表作を一挙上映 「ジョン・カサヴェテス レトロスペクティヴ リプリーズ」

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現代映画に大きな影響を与えてきた映画作家ジョン・カサヴェテスの特集上映「ジョン・カサヴェテス レトロスペクティヴ リプリーズ」の開催が決定。予告映像が公開され、濱口竜介、三宅唱らカサヴェテスを愛する著名人からのコメントが寄せられた。

“インディペンデント映画の父”と称され、ジャン=リュック・ゴダールやマーティン・スコセッシ、ヴィム・ヴェンダース、ジム・ジャームッシュといった世界の巨匠たちから敬愛された映画監督ジョン・カサヴェテス。ハリウッドの商業主義に対抗し、公私ともに最良のパートナーである女優ジーナ・ローランズや信頼できる仲間たちと「自分の撮りたいものを撮る」という信念のもと、自身の俳優活動で得た収入を注ぎ込んで映画を製作し、インディペンテント映画の可能性を知らしめた。

今回のレトロスペクティヴは、撮影監督、プロデューサーとしてカサヴェテスと併走した、アル・ルーバン氏が2022年に亡くなったことから、その追悼とも言えるタイミングでの開催となる。

特集では、1989年に59歳で逝去したカサヴェテスが残した監督作品11本の中から、『アメリカの影』(1959)、『フェイシズ』(1968)、『こわれゆく女』(1974)、『チャイニーズ・ブッキーを殺した男』(1976)そして、有名女優の舞台前の極限の緊張を描き、ジーナ・ローランズがベルリン国際映画祭主演女優賞を受賞した『オープニング・ナイト』(1977)、カサヴェテスの集大成的作品であり、ベルリン国際映画祭金熊賞を受賞した『ラヴ・ストリームス』(1984)の6作品を上映する。

【コメント】

▼濱口竜介(映画監督)
ジョン・カサヴェテスの映画を見てしまった人生と、見なかった人生。幸福なのはどちらか、わからない。しかし見たことを後悔した日は1日たりともない。

▼三宅唱(映画監督)
カサヴェテスの映画をみるといつも高熱のような強い感情に浮かされます。できるならそれを書きたいけれど言葉が追いつかない。だからもう1度見たくなるしうっかり自分でも映画を作りたくなってしまう。『オープニングナイト』の終盤は毎回初めてのようにビックリし続けています。

▼石橋英子(音楽家)
“孤独な夜を知ってる?”カサヴェテスの問い。できれば避けて通りたい事がクローズアップされ、その破れ目が映画そのものを呑み込む。他者は自分の幻影、また自分自身も他者の幻影、そこから抜け出す為にはボコボコにし合うしかないのか。『オープニング・ナイト』を観てうんざりした幻影まみれの10代の夏。今はどうか。そんな夜なんて知らない、という出発点すら曖昧だ。

特集上映「ジョン・カサヴェテス レトロスペクティヴ リプリーズ」は2023年6月24日(土)より全国順次ロードショー。

イベント情報
特集上映「ジョン・カサヴェテス レトロスペクティヴ リプリーズ」

1989年に59歳で逝去したカサヴェテスが残した監督作品11本の中から、代表作6本を上映するレトロスペクティブ。

【上映作品】
『アメリカの影』
『フェイシズ』
『こわれゆく女』
『チャイニーズ・ブッキーを殺した男』
『オープニング・ナイト』
『ラヴ・ストリームス』

配給:ザジフィルムズ

©1958 Gena Enterprises.
©1968 JOHN CASSAVETES
©1974 Faces International Films,Inc.
©1976 Faces Distribution Corporation.
©1977 Faces Distribution Corporation
©MCMLXXXIV Cannon Films, Inc.

公式サイト cassavetes2023/

2023年 6月24日(土) 渋谷シアター・イメージフォーラムほか全国順次ロードショー