May 26, 2023 interview

韓国映画界が全世界に放つ、シンデレラガールを生みだしたサイキックバトルアクション『THE WITCH/魔女 ―増殖―』 主演女優シン・シア インタビュー

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偶然が引き寄せた物語との親和性

『THE WITCH/魔女 ―増殖―』のすべての撮影は、前作のエンディングの背景となっていた済州島で行われている。

作中冒頭、血だらけの少女が裸足で雪の上を歩くシーンは、非常に神秘的で観客を引き込み、かつ、この物語を象徴する素晴らしい映像となっている。まさにこの場面から撮影が始まったらしいのだが、これは偶然の産物だそうだ。

もともと台本には雪の設定はなかったんです。60年ぶりに済州島に大雪が降って、膝ぐらいの高さまで雪が積もっていました。偶然撮ることになったシーンなんですが、私は裸足で演じなければならなかったので、寒くて大変でした。

でも結果として、本当に綺麗な映像ができましたし、雰囲気もあるシーンになりました。初めての登場のシーンが、あのように撮れて良かったと、雪が降ったことに感謝しています。

またこの冒頭の登場シーンは、シン・シアにとって、今作のなかでも忘れられないシーンだそうだ。

最も思い入れのあるのは、最初の登場シーンですね。なかなか人って身体中血まみれになるってことがないじゃないですか。身体中に血糊を塗ったとき、”あ、私は少女になったんだ”と思いました。

血まみれになった状態で白い雪原を歩いている‥‥。雪のように世の中のことをまったく知らない少女の世界に、血が一滴落ちるかもしれない、そういうことを暗示しているような気がしていて、神秘的ではありますし、少女のキャラクターと世界観を活かしてくれているシーンだと思うので、とても思い入れがあります。

この済州島の雪原シーンに登場するのが、世界的大ヒットしたドラマ「ウ・ヨンウ弁護士は天才肌」で、自閉症の弁護士を見事に演じたパク・ウンビンだ。彼女が演じるギョンヒは、ヤクザに拉致されたところを、少女に助けられる。少女の明らかに特殊な能力を目の当たりにしながらも、人間味ある優しい心で接し守ろうとする。

現場で一番ご一緒したのが、ギョンヒ役のパク・ウンビンさんでした。たくさんお話をしましたし、私にとって初めての長編映画出演でしたので、パク・ウンビンさんが本当に助けてくれました。

劇中の少女は、研究所から初めて外の世界に出たところをギョンヒが助けてくれるんですけども、その劇中での関係性とも似ていましたので、より役に入り込むことができました。

パク・ウンビンがあえて、そう接していたのかは分からないが、ソン・ユビン演じる、ギョンヒの弟・デギルとともに生活する少女の日常パートは、血まみれワイヤーアクションが多い中で、映画に温かみを添えて、ホッコリさせてくれる。

なかでも食事のシーンは、誰もが彼女のことを好きになるはず。ここでは、少女の、シン・シア本来の純粋さが現れているように思える。

研究所で育った少女は、美味しい物をまったく食べたことがなかったんですね。だから、”新しい食べ物、美味しい食べ物を見たら、理性で考えるよりも、本能で動くんじゃないか?”と思ったので、私も本能のままに演じました。でも私、もともと食べるのが好きなんですけどね(笑)。

辛い麺にアメリカンドックに、アワビ粥‥‥決して行儀がいい食べ方ではないけれど、その様に魅了されるだろう。ちなみにシン・シア自身は何が好きなのか聞いてみた。

食べ物全部好きなんでけど、寿司が好きです。サーモン! イカ! 甘エビ! ウニ大好き!! もしもサイキック能力があったら、瞬間移動して美味しいものがあるところを回って食べ歩きたいです!!

満面の笑みでこう言われてしまえば、誰もが彼女を好きになると思う。