Apr 29, 2023 column

疲れた心を少しほっこりさせる一話完結ドラマ「ウ・ヨンウ弁護士は天才肌」

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今年のゴールデンウィークは最大9連休と長めのお休み。otocotoでは4月29日から5月6日まで、選りすぐりの人気作・話題作を毎日紹介します。明日のことを考えず、夜更かしが許されるこの機会に話題となっている配信オリジナルの映画、ドラマシリーズを一気見してはいかが?

全話配信後も熱が冷めない人気シリーズ

本国韓国で右肩上がりの高視聴率を獲得し、Netflixによる全世界集計によると非英語部門のTV番組で配信開始から6週連続でTOP10入りを果たした話題のドラマシリーズ、「ウ・ヨンウ弁護士は天才肌」。BTSらK-POPアイドルや韓国俳優たちをも夢中にさせ、全話配信された後もで世界中のファンの注目を集めている作品だ。

韓国ドラマ史に記録に残るであろう本シリーズの主人公は、自閉スペクトラム症(ASD)の新人弁護士ウ・ヨンウ。彼女は5歳で刑法を丸暗記し、ロースクールを主席で卒業した天才だ。彼女は就職した一流法律事務所で仲間と共にさまざまな事件の弁護に挑み、ひとりの人間として成長を描く一話完結の法廷ドラマ。

障害のある天才といえば、自閉症でサヴァン症候群の医師が主人公の「グッド・ドクター」(2013)などが思い出される。主人公はうまく人間関係が築けないながらも、難しい問題をその才能で華麗に解決する。本ドラマシリーズにおいても天才弁護士は類稀な能力を発揮するが、本作の魅力はそれだけに止まらない。

ASDの特徴とは、コミュニケーションの障害、興味や行動への強いこだわりがある。ウ・ヨンウはクジラが大好きで、毎朝大好物のキンパを食べ、音の刺激に敏感だからノイズキャンセリングヘッドホンをつけて出勤する。そんなモーニングルーティーンがドラマのオープニングなのだが、これがとってもかわいらしい。

作中では同じ動きや会話を繰り返したり、回転ドアに入れなかったりする自閉症の症状が現れるが、それを時にコミカルにそしてファンシーに描く。なによりウ・ヨンウ役のパク・ウンビンが、とってもキュートだ。

時代劇「恋慕」(2021)で男装をした女性の王という複雑なキャラクターを見事に演じた彼女。ウ・ヨンウ役を引き受けるまでに1年を要し覚悟をもって本作に臨んだそうだ。その甲斐あって、今やファンミーティングのチケットが即完売するほど人気者となった。彼女は5月26日公開される話題の映画『THE WITCH/魔女 -増殖-』にも出演し違った魅力を見せている。

パク・ウンビンによるウ・ヨンウは非常に魅力的、彼女は純粋に人を想う愛がある。だから物事の本質をつく発言をする。

物語は裁判を通じて恋愛や友情と家族愛が描かれる。最初は自閉症のウ・ヨンウが弁護士として仕事ができるか懐疑的だった上司や同僚たちだったが、その能力とひたむきな愛に魅了されていく。そこに広がるのは優しい世界だ。

1話ごとに展開される訴訟を天才弁護士が解決していく様は確かに痛快だ。しかしながらその内容は、一筋縄ではいかないリアルな社会問題。これがアクセントをつけており、ポップでキュートなだけじゃないストーリーラインとなっている。

考えさせられながらもクスッと笑える、この良質で愛おしいドラマシリーズに、ぜひ一度触れていただきたい。

作品情報
Netflixシリーズ「「ウ・ヨンウ弁護士は天才肌」(全16話)

自閉スペクトラム症の新米弁護士ウ・ヨンウが、やさしい同僚や良き理解者である親友など周りの人に支えられながら、彼女ならではの視点で事件を解決に導く“法廷ドラマシリーズ”。

脚本:ムン・ジウォン

出演:パク・ウンビン、カン・テオ、カン・ギヨン

Netflixにて全世界独占配信中

視聴ページ netflix.com/title/81518991