Sep 22, 2019 interview

西島秀俊が振り返る『任侠学園』での“新鮮な経験”と“反省会”、映画漬けだった日々

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社会貢献がモットーの任侠団体“阿岐本組”が義理と人情を武器に経営不振の学校を立て直す人気小説『任侠学園』を、ドラマ『99.9 -刑事専門弁護士-』シリーズを手掛けた木村ひさし監督が映画化。本作で西田敏行とW主演を務める西島秀俊は、阿岐本組の組長に振り回されながらも高校の理事として奮闘する日村誠司を演じている。木村監督が演出を手掛けた主演ドラマ『名探偵・明智小五郎』(19年)よりも先に撮影が行われた本作。西島にとって初の木村組の現場はどんな経験になったのか、さらに影響を受けた巨匠監督からの言葉、映画漬けだった日々を語ってくれた。

アイデアと気付きの化学反応が起きた現場

──阿岐本組No.2の日村という役に挑むにあたってどんなことを意識されましたか?

阿岐本組の組員は、昔気質な人たちで社会貢献が好きな善人ばかりなので、最初にお話をいただいた時はそこがすごくおもしろいと感じました。そのうえ組長役が西田敏行さんで、阿岐本組が立て直そうと奮闘する経営不振の学校の校長役が生瀬勝久さんですから、相当すごい玉を投げてこられることを覚悟しまして(笑)。とにかく全力でやらないと、という気持ちで挑みましたし、クランクイン後は必死に食らいつきながら撮影していました。

──“現場でのひらめき”を大切にされる木村監督の現場は西島さんにとってどんな体験になりましたか?

この作品で初めて木村監督とご一緒したのですが、監督が現場で思いついたアイデアを美術さんがすぐにセットや小物を作って具現化させてく様子に驚きました。もちろん美術さんだけではなくほかの部門もそうですが、あそこまでスタッフ全員が一丸となって監督のアイデアをすぐに形にしていく姿を初めて見たというか。とても新鮮な光景でした。

──これまでさまざまな作品に出演されてきた西島さんにとっても新鮮な現場だったというのはとても興味深いです。

木村監督とスタッフさんのやりとりを見ているうちに、僕自身も自然と美術や小物に注目するようになっていきました。例えばセットをよく見渡すと「おや? なんで中華料理屋に銅鑼(どら)が置いてあるんだろう?」と気になりはじめて、これはもしかしたら「銅鑼を鳴らしてください」という美術さんからのメッセージなのではないかと気付いてしまうことも(笑)。もちろん美術さんは僕らに対して言葉で直接伝えたりはしませんが、各部署のスタッフさんが作品をおもしろくするために自由にアイテムを忍ばせていたりして、それを監督や俳優が気付いて拾うことで良い化学反応が起きる現場でした。それは木村組だからこそだと思いますし、こういう経験はいままでなかったです。

──監督や俳優さんたちがそのアイテムに気付いて反応してくださるとスタッフさんも嬉しくて、どんどんおもしろいものを追加で忍ばせていたかもしれないですね(笑)。

それを僕らも楽しんでいたというか、現場に入ったらまずグルッとセットの中を見て回って、「これは一体なんなんだろう?」とか「ここにこんなものが置いてある!」と探すようになっていました(笑)。発見したものからどんどん膨らませていくというのはおもしろい作業だったように思います。