Sep 22, 2019 interview

西島秀俊が振り返る『任侠学園』での“新鮮な経験”と“反省会”、映画漬けだった日々

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チームワークが深まった“反省会”

──若手俳優からベテランまで幅広いキャストが集結しているのも本作の魅力かと思いますが、西島さんはこのキャスティングをどう思われましたか?

最初に思ったのが、『アウトレイジ』meets“寅さん”です(笑)。劇中で伊藤(淳史)くんが着ている衣装はテキ屋風ですし、『男はつらいよ』シリーズに出演されていた佐藤蛾次郎さん、『アウトレイジ』シリーズに出演されていた西田敏行さん、中尾彬さん、光石研さん、白竜さんが揃ったらそんなふうに連想してしまいませんか(笑)?

──連想してしまいます(笑)。『釣りバカ日誌10』(98年)に出演された高木ブーさんも出演されていますし、本作が持つ空気感や雰囲気はそういったこだわりのキャスティングからも感じ取ることができますよね。

そう思います。だから劇中のハードなシーンは『アウトレイジ』のように激しいものを、そしてコミカルなシーンは『男はつらいよ』や『釣りバカ日誌』のような笑いを描きたかったのではないかと想像しました。西田さんは『アウトレイジ』『釣りバカ日誌』のどちらにも出演されていますから、そういった意味でもハードなものとコミカルなものを両方全力でやる作品なのだろうなと。そういうことを感じさせてくれるキャスティングだと思います。

──現場のチームワークはどのように深まっていきましたか?

西田さんと生瀬さんが現場を引っ張ってくださったので、お二人の姿を見ると僕も含めてキャスト全員の気持ちが引き締まりました。もともとみんな真面目で全力を尽くす方ばかりだったので、自然と良いチームワークができていったのではないかと。普通はその日の撮影が終わると「お疲れさまでした」と言ってすぐに解散することが多いのですが、今回の現場は「お疲れさまでした」と言ったあとに「じゃあ反省会やりますか!」と、毎日のように撮影後に“反省会”と称した飲み会を開いていて(笑)。そういった良い空気感を映像から感じていただけたらいいなと思います。

──ちなみに“反省会”という名の飲み会は何がきっかけで始まったのでしょうか?

最初はみんな西田さんと飲みに行きたいという気持ちがあって、たしかそれがきっかけで始まったと思います。ただの飲み会ではなく、「いや~、今日ちょっと台詞を噛んでしまったので」と誰かが言うと「よし! じゃあ反省だ!」という流れで毎日のように行っていました。「みんな飲みたいだけでしょ」と思いつつもどこかでそれを楽しんでいたというか。僕自身も撮影中に吹き出してしまうことがあって、そのたびに伊藤くんから「反省会ですね」と言われていました(笑)。

──葵わかなさんや葉山奨之さん、桜井日奈子さんといった若手俳優のみなさんも参加されていましたか?

若手のみなさんも参加していました。「もう遅い時間だから帰ったほうがいいよ」と伝えてもみんな最後まで残ってくれて。実はいまだに会は続いていて、ほかの現場で各自が反省したいと思ったことを持ち寄って月2ペースで集まっています(笑)。