Jul 14, 2017 interview

小栗旬との絶妙なやりとりは必見!映画『銀魂』ムロツヨシインタビュー

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常連のムロが明かす福田組の楽しさとは

──福田組の現場にうかがうと、監督がまず一番笑っていますし、スタッフキャストの皆さんがとても和やかなのが印象的です。皆さん自由に演じて楽しんでいるのかなと思うのですが。

自由というのとはちょっと違うんですが、福田さんは役者発信のアイデアをとても尊重して大事にしてくれるんです。せっかくの役者発信のものは採用してくださるし、逆に冷静に考えてそれはナシとも言ってくれる。提案についてもそれだったらこれをこうしようとか、そのシーンはそのままやっちゃっていいよとか。そのジャッジが完全に信頼できるんです。役者にとって自由にやっていいというのはある意味、一番酷なんですが、台本のやり取りの中から出てきた役者からの提案を信用してくれて楽しんでくれるのでやりがいがすごくあります。

 

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──今回、「銀魂」で特に楽しかったのは?

小栗とは、僕がまだバイトしている頃から13年の付き合いになるんですけど、銀時と源外の何気ないやり取りのシーンの中にも僕たちふたりがずっと付き合ってきた何年かが見えると福田さんが言ってくれたんです。そう言ってもらえて僕も小栗も照れ臭かったですけど、長い付き合いだからこそ見せられるものもあったのかなと思って楽しかったですね。

──話は変わりますが、ムロさんは例えばバラエティ番組などを見てもその場を沸かせて溶け込むのがはやいし、幅広い年齢層の友達が多いというイメージがあります。人間関係を築くのがうまいのかなと思っているのですが、そのコツなどはありますか?

友達が多そうとはよく言われます。でもそれは僕が相手を友達だと認識するのがはやいだけなんです。たとえその人がまだ僕のことを仲いいと思ってくれていなくても、いろんな人にあの人と仲いいって話すので(笑)。だから友達が多いとか、あの人と仲がいいんだって錯覚してくれる人もいるんですね。ただ、僕としては普通にふるまっているだけ。この人とご飯食べたい、お酒飲みたいと思ったら、男女関係なく、大人数でも少人数でもとにかく誘うんです。1回、ご飯を食べに行ったらもう友達だと思っているので、また行こうねと言って。それがその時は口約束になってしまっても数か月後にまた行くかもしれないですから。

 

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──周囲の人との壁のなさがすごいなと思います。

僕が極度の寂しがり屋なんだと思います。人見知りの人は最初は相手のことを敬遠してじょじょに近づきますけど、僕は人見知りの逆の症状で、相手にすぐ近づいて、じょじょに離れていくんです。お互いがいい距離感になったときにそのまま平行の関係になっていくんです。

──いったん近づいたのに離れられると寂しくなっちゃう人も多そうですね。

そうなんです、離れていったときに(僕のことを)何だこの人ってみんな思うらしいです(笑)。でもいい距離感って人それぞれ違いますから、遠くから相手のことを探ってわからないなと思っているより、いったん近づいて相手のことを知ってからいい距離感を探すんです。他の人はなかなかしないやり方かもしれないですけど、それを僕はやっちゃっています。

 

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各方面から引っ張りだこの所以がここに――仕事に臨む際に意識していることとは

──お仕事上の人間関係でも活かされているのでしょうか?

そうですね。仕事関係でも出来る限り僕は自分から話しかけています。どこかにコイツ、寂しがり屋なんだろうなということがにじみ出てるんじゃないですかね。若い子たちもこのおじさん、相手してやらないといけないなと思ってくれるんだと思います(笑)。お仕事に関してはくそ真面目にふざけていますので、そこを見てもらえるようにしていますね。ふざけてしゃべっているだけではダメですし、好きでやっている仕事ですから、また一緒に仕事したいと思ってもらえるよう意識しています。

──他に仕事に臨む際に意識していることは?

どの作品でもどの現場でも、いくつかやりがいを作ってその場に立つようにしています。こういう宣伝活動にしても何かの番組出演にしても、何でやるのか、どうしてやりたいのかを認識して、やりがいを見出して、自分の意志でその場にいるという意識を常に持ちたいな、と。どんな仕事にせよ、引き受けたのは全て自分の意志。決めたのは自分だから何が起こっても自分のせいにできるようにしています。自分の意志ではなく惰性で仕事をやってしまったとたんにひとつの信頼を失って、ひとつの信頼を失ったら10個の信頼を失う恐怖があるので。30代は周囲の信頼を勝ち取ろうとがむしゃらにやってきて、40代になったらこれまで信頼してくれた人たちが新しい期待をしてくれて新しい仕事をさせてくれているので、その期待に沿いたいと思う。そのぶん、何事もやりがいをもって臨んでいますね。