Jun 02, 2019 interview

4度目のタッグ!石井裕也監督×池松壮亮が語る『町田くんの世界』の舞台裏

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運動も勉強もできないけれど、人が大好き! という純粋な町田くん(細田佳央太)。彼が人間嫌いの同級生・猪原(関水渚)に出会って初めての感情に戸惑いながらも向き合う様子を、あっと驚く冒険譚として昇華した『町田くんの世界』。『川の底からこんにちは』(10年)や『舟を編む』(13年)などの俊英・石井裕也と、石井とは『ぼくたちの家族』(14年)、『バンクーバーの朝日』(14年)、『映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ』(17年)に続き4作目のタッグとなる池松壮亮に話を聞いた。

町田くんに起こる奇跡を信じる重要な役

――この原作からこうなるのか! と新鮮な驚きがあってとても面白かったです。映画ではオリジナルの設定を変えているところもありましたが、脚本化・映画化する時に意識したことは?

石井 町田くんという人間をこの世界に嘘のないように存在させること。それと、彼の持っている愛の変化ですね。映画前半では全人類が大好き、というような博愛ですが、後半では一人の女の人を特別に好きになる。そのことをきちんと見せられれば、この原作を映画化した意義を必ず見つけられるんじゃないかと思っていました。

――池松さんが演じた吉高という役は原作と設定が変わっていますが、なぜこの役でキャスティングされたのでしょうか?

石井 クライマックスで町田くんは“飛ぶ”じゃないですか。“飛ぶ”というかありえない奇跡が起こるというか。吉高という役は、その奇跡をひたすら信じる――ほとんど祈るように信じる、そういう役どころです。だから、映画とか人生の可能性を本当の意味で信じている俳優に演じてほしかったんです。つまり、池松くんです。

――池松さんは脚本を読んで吉高に関してどのように理解して演じたのでしょう?

池松 この映画においてとても重要な役なので、ある意味荷が重いと思いました。重要なのはもちろん僕だけに限らずで、(岩田剛典や高畑充希、前田敦子、太賀が演じる)学校の生徒側次第で町田くんが“飛ぶ”か否か、あるいは町田くんという存在が嘘にならないかどうかが決まるなと思っていました。

――池松さんは何度も監督と組んでいらっしゃいますけど、演出はどんな感じですか?

池松 なんて言えばいいのか……。石井さんの演出はすごく観念的だと思います。決してエゴなことは言わないですし、感覚的に(芝居を)引き出そうとするし、感覚的に映画を作ろうとする。例えばこんなふうに言ってとかもう少し間を空けてとかそういう具体的な指示は聞いたことがないです。

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