- 山田
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最初は会社の健康診断で引っかかったんですよ。
心電図に異常が見られると。
でも、仕事が忙しいから……。
- 池ノ辺
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そのままにしていた?
- 山田
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そう。
それで翌月に診療所から紹介された専門の病院に行ったら、心臓の血管が詰まっていますと。
テレビの医療番組とかで、手首とかその辺からカテーテルをシューッと入れて血管の処置をして、1日で退院できるみたいなことを見ていたから、自分も簡単な手術で治る気でいたんですよ。
それで年内の映画公開が全部終わって、クリスマスイブの12月24日に診察を受けたら、その場からもう車椅子。
動いちゃいけないと言われて緊急入院。
心臓には冠動脈という大きな血管が3本あるんですが、そのうち2本が完全に詰まっていて、もう1本も危ない状況でした。
カテーテル手術では残りの1本も塞いでしまう危険性が高く、塞がれば死んでしまうので、開胸手術になりました。
手術は5時間近くで終わる予定が10時間近くかかる大手術になってしまったんです。
- 池ノ辺
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ひえ〜。
宣伝の仕事は忙しいですからね。
- 山田
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たしかに。
それから仕事に復帰して1年後に、総務に移って、その後東和プロモーションに出向したんです。
- 池ノ辺
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そうだったんですね。
知らなかったわ。
東和プロモーションでは何をされていたんですか。
- 山田
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主にやっていたのは、劇場で販売している映画の絵柄がついたドリンクカップがあるじゃないですか、上に人形が乗っかっているやつ。
あれを輸入販売していました。
- 池ノ辺
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『スター・ウォーズ / フォースの覚醒』の時にそのドリンクカップ買いましたよ。
欲しくなっちゃうのよね。
- 山田
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ありがたいことにすごく売れました。
海外でそういうものの権利を持っている会社と契約をして、東宝東和だけでなくディズニーさんやフォックスさんやソニーさんの商品も扱わせていただきました。
- 池ノ辺
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へ〜そうなの?
他社さんの作品もやっていたんですね !!
それで、2016年に山田さんは東宝東和マルチメディア事業部へ移ったんですよね。
- 山田
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マルチメディア事業部というのは、テレビ局に映画のテレビ放映権を販売するなど色々な事業を行っているんですが、新たな事業として、英国ロイヤル・オペラ・ハウスのバレエとかオペラの舞台を収録したODS(非映画コンテンツ)という今まで扱ったことがないような作品の、字幕付けから宣伝までを担当することになりました。。
- 池ノ辺
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オペラの劇場で流す字幕を考えたり、翻訳の人と打ち合わせをしたり?
- 山田
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基本的には海外で日本語に訳してくれたやつを、尺に合うように文字数を整えたり、より理解しやすいように字幕を改訂したりします。
オペラやバレエはまったく自分の中には遠いところにあったものだったんですが、知れば知るほど奥が深い世界でした。
- 池ノ辺
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そこには何年くらい居たんですか?
- 山田
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1年くらいです。
- 池ノ辺
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それでまた宣伝部に戻ってきた、というと変ですけど、2017年から宣伝部アドバタイジング室に。
- 山田
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再び映像全般の仕事をすることになりました。
映像というと、昔は予告編とかテレビCMが主でしたけど、最近はそれに加えてサイネージ、街の映像広告が加わりました。
以前は、駅など人が集まる所にポスターを貼ったり看板を掲出したりしたけれども、今は動画ですからね。
しかも映画のスクリーンは横長ですが、サイネージは縦長が主流です。
単純に映像をはめ込むだけだと画面が小さくなってしまうので、色々と見せ方に工夫が必要なんです。
宣伝部に戻ってくるまで、やったことがなかった仕事も今は増えています。
- 池ノ辺
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戻ってきて最初の作品は何だったんですか?
- 山田
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最初に取り掛かったのは、トム・クルーズの『ザ・マミー / 呪われた砂漠の王女』ですかね。
- 池ノ辺
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じゃあ、そこから予告編とかTVスポットとかムービー関係はやっていたんですね。
東宝東和さんは今、宣伝部には宣伝プロデューサーがいて、パブリシティ担当の人たちがいて、それと山田さんがアドバタイジングの予告編、TVスポットなどをやってるということ?
- 山田
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アドバタイジングにはポスターやチラシなど平面を扱う担当もいます。
宣伝部の現場担当はそんな感じです。
映像に関しては僕が担当です。
僕が広報部から広告部に移って少しした頃から、これからは映像の時代だから、映像だけを24時間考える人間を作れという命令が上からあったんです。
そこで東宝東和の広告部に映像班というのができまして、僕が担当になり、映像を専門にずっとやってきましたが、再び映像担当に戻ったわけです。
- 池ノ辺
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へ〜。
今回、『僕のワンダフル・ライフ』の予告編をつくりましょうとお話しをいただくと、今までなら宣伝プロデューサーの方とお話をしていたんですが、山田さんが来たので「あれ? 山田さん、お久しぶり」という感じで再会をしました。
- 山田
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そうですね。
- 池ノ辺
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元気でお会いできたこと、すごく嬉しかったのですよ。
心臓の病気の時はすごく心配してたから。。。
ほんとよかった !!
それでは次回は、山田さんがこれまで東宝東和さんでやっていた宣伝の話を聞かせてもらおうと思います。
(文:モルモット吉田 / 写真:江藤海彦)
©2017 Storyteller Distribution Co., LLC and Walden Media, LLC
映画『僕のワンダフル・ライフ』
ゴールデン・レトリバーの子犬ベイリーの“最愛の人”は、暑い車の中に閉じ込められて苦しんでいるのを救ってくれた、8歳のイーサン少年だった。それ以来、1人と1匹は喜びも悲しみも分かち合い、固い絆で結ばれていく。だが、犬の寿命は人間よりうんと短い。ついに、旅立つ日がきてしまう──はずが、ベイリーの愛は不死身だった! アメフト選手になる夢を断たれ、初恋の人とも別れてしまったイーサンを心配し、何度も生まれ変わってきたのだ。なぜなら、「イーサンを愛し、幸せにするのが僕の役目」だから! けれども、そう簡単にはイーサンと遭遇できない。ようやく3度目でイーサンとの再会を果たしたベイリーは、自らに与えられた“重要な使命”に気付くのだが──。 すべての愛犬家の夢を形にした、犬と人間の極上のラブストーリーが誕生した! 名匠ラッセ・ハルストレム、ドッグシリーズの集大成けなげでかわいい犬を主人公に贈る、涙と笑いと感動の物語!
監督:ラッセ・ハルストレム 原作:W.ブルース キャメロン『野良犬トビーの愛すべき転生』(新潮社) 出演:デニス・クエイド(吹替:大塚明夫)、ブリッド・ロバートソン(吹替:花澤香菜)、K・J・アパ(吹替:梅原裕一郎)、ジョシュ・ギャッド:ベイリーほか犬の声(吹替:高木渉)ほか
配給:東宝東和
9月29日から全国ロードショー
PROFILE
■山田武司(やまだたけし)
東宝東和株式会社 営業本部 宣伝部アドバタイジング室
1960年7月30日生まれ。1984年東宝東和に入社。広報部所属。1990年に広告部、1991年広告部映像班が新設され所属(映像全般の制作担当)2010年宣伝部長。2012年総務部、東和プロモーション、2016年には東宝東和マルチメディア事業部所属。2017年宣伝部アドバタイジング室に所属し、現在に至る。
<主な担当作品> 『ダンス・ウィズ・ウルブズ』 『ターミネーター2』 『ラスト・オブ・モヒカン』 『メジャーリーグ2』 『リバー・ランズ・スルー・イット』 『クリフハンガー』 『シックス・センス』 『山の郵便配達』 『ターミネーター3』 『トゥームレイダー』 『コールド・マウンテン』 『Mr.&Mrs.スミス』 『アメリカン・ギャングスター』 『マリー・アントワネット』 『ウォンテッド』 『マンマ・ミーア!』 『ザ・マミー / 呪われた砂漠の王女』 『怪盗グルーのミニオン大脱走』