Apr 11, 2017 interview

第7回:『3月のライオン』は究極を目指した。心が弾む日本映画を見ると、この人と仕事をしたいという欲望が湧き上がってくる。

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池ノ辺直子の「新・映画は愛よ!!」

Season14  vol.07 アスミック・エース株式会社 配信企画プロジェクト推進室長 兼 コンテンツ事業部コンテンツ企画グループ長 谷島正之 氏

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映画『3月のライオン』撮影現場より(2016年春・中央大橋にて)

映画が大好きで、映画の仕事に関われてなんて幸せもんだと思っている予告編制作会社代表の池ノ辺直子が、同じく映画大好きな業界の人たちと語り合う「新・映画は愛よ!!」

最終回は、映画『3月のライオン』のプロデューサーでアスミック・エース(株)の谷島正之さんに、4月22日公開の『3月のライオン【後編】』のお話と、プロデューサーとして今後何をやっていくのか、そして恒例の「谷島さんにとっての映画って何?」を語って頂きます。

→前回までのコラムはこちら

池ノ辺直子 (以下 池ノ辺)

さて、対談も最終回。お付き合いありがとうございました。

そして、いよいよ来週から 『3月のライオン』の後編が公開されますね。

谷島正之 (以下、谷島)

後編は、将棋盤の上で闘うことでしか生きられなかった少年が愛を知った時、どうなるかという話です。

池ノ辺

素敵ね。

谷島

嵐の先に嵐が待っているんですね。

愛を知っちゃったためにさらなる嵐が来るんですよ

池ノ辺

前編の後に後編の予告編が付いていて、色んなドラマがこれからあるんだと思って、また見なきゃと思いました。

で、見ました。色々人生のドラマがありました。

少年は愛することを知る。

人生の戦いを知り、そして大人になる。

そして私は泣いた!!

谷島

あのクライマックス、感動する以上に、凄いでしょ!言えないけど(笑)

闘うことは将棋だけじゃないということを実感する少年の話にもなるし、あんなに主人公をあたたかく受けとめてた川本家の3姉妹も実は大変な闘いが・・・。

闘っていない人間なんてこの世にいない、本当に勝つとはどういう事か、というのが最終的に行き着くテーマですね。

大友さんの最高作、スタッフたちの芸術の塊、登場人物が瞬間に見せる殺気とかさ。

もう、これだけのモノが完成した、しかも妥協せず2本も生まれた・・・あらゆる意味で、初志貫徹できた。

生み出す意義共々、監督と共にある境地に到達できたと感じてます。

池ノ辺

うちのスタッフにも言うんですけど、20代なんかつらいことばっかりだからと。

人生30代になったってつらいよ、その代わり引き出しがあるからもう少し色んなことができるかもしれない。

でも、別の意味でつらいことは多くなるわよ、と。

人生大変ね。

でもそれ以上に楽しいことがあるのよ!!

谷島

「映画監督なんて人間のやる仕事じゃない」と敬愛するヴェルナー・ヘルツォーク監督は言ってた。

宣伝も人間のやる仕事じゃないと思う。

極端に言うとね。

だからよっぽど好きじゃないと、今の若い子は心が折れるよ。

映画が好きで映画会社に入ってきて、やっと自分が好きな仕事に就けたのに途中で休職したり辞めちゃったりする人がいるじゃない?