固唾を飲んで見守った、エドとアルのシーン
──キャストの方から荒川先生に、アドバイスを求められたりは？
それが何も！現場を見学しに行ったのも、一度しかなく、その時も地下のシーンの撮影の合間に、山田くんがきてくれたので何かな？と思ったら、「どうも！」とそのまま軽い世間話をして、そのまま（笑）。もっと色々な方とお話ししたかった。時間が合わなかったのが残念です。
──キャラクターがシッカリ描かれていれば、外見は気にされないと先ほど仰いましたが、衣装を担当された西原梨恵さんが、身軽な素材を利用されたり細かいデザインを施したりと、相当なこだわりを持って作られたそうで。原作者としては『ハガレン』の衣装を間近で見た時に思われたことはありますか？
原作の衣装を踏襲しつつも、ところどころですごくオシャレな装飾が施されていたり、軍服もエドのコートもタフで重厚な見た目なのに、ひるがえした時すごくカッコイイラインになっていて。本当にカッコイイ!!中でもラストの衣装のアレンジがステキで！ついつい衣装に注目しちゃうし、それを見事に着こなす松雪さんの存在感もスゴイ！しかも西原さんは朴璐美さんのご友人だそうで、本当に思わぬ縁というものはあるものですね。今「鋼の錬金術師展」に劇中で使用された、エドのオートメイルが飾ってあるんですけど……あれ、もらえないんですかね？
──（笑）。ものすごい精巧な腕でしたよね。
巡回が終わったらもらえるか、頼もうかな？（笑）。
──一視聴者として、作品を楽しみに待っていらした荒川先生が、今作で心つかまれた場面を最後に伺えれば。
……ネタバレになっちゃうから詳しくは言えませんが、エドが扉の向こうのアルに会いに行くシーンですね。エドがアルに向かって何を語りかけるのかな？というのを、固唾を飲んで見守っていました。隅から隅まで知っている！という、ファンの方もこの場面はきっとグッときちゃうんじゃないかな。曽利監督と山田くんがシッカリとエドワード・エルリックというキャラクターを掴んでいるから、エドならこう語りかけるよねという。でも、こうくるだろうなぁとわかっていながらもきっと引き込まれるはずですね。
──どれだけ読み倒したファンの方でも刺さる作りになっているのならば、この映画を通じて『ハガレン』を知る方にもきっと刺さりますよね。
山田くんやキャストの方を通じて劇場に来て「あっ、おもしろい！」と思っていただいたら、そこから原作を読んでいただくもよし、アニメを観てもらうもよし。そして、その俳優さんの他の作品を掘り下げるもよし。この映画を通じて、色んなものが盛り上がっていただきたい。何度でも足を運んでいただき、『ハガレン』の世界を楽しんでいただければ原作者として幸いですね。
