──松雪さんや内山さんとはコミュニケーションを取られることも多かったのでしょうか。
まあ僕、そんなに人とコミュニケーションを取らないタイプなので今回も通常通りという感もありますが……。松雪さんは大先輩ということもあり、そんなに僕の方から細かくディスカッションをするようなことはありませんでしたが、すごく素敵なお芝居をしていらしたので、全幅の信頼を寄せていました。内山さんとは、ちょこちょこですけどお話をすることもありました。
──エンヴィーを演じるに当たって特に意識を置いていた部分があれば伺いたいです。
今回に限らず役を演じる上で特段何かを意識する、という作業はあまりしない方なのですが、ハガレンは原作もアニメも観ていたのでそのイメージを大切にするということは常に頭にあった気がします。マンガの実写化作品でキャラクターを演じるときはいつもそうなんですけど、原作のイメージ通りに行くことが結果的に一番正解に近いような気がするので、毎回そういうアプローチで臨んでいる気がします。
──少年っぽい体型もまさにエンヴィーっぽさがありました。
原作のエンヴィーってすごく細身っぽいけど、たまに筋肉質に見える場面もあるんですよ。一番最初に曽利監督とどういう風に役作りをして行くのかっていうお話をしたときに、「本郷くんどうする? 筋トレする?」と聞かれて。細身と筋肉質と、両方のイメージがあったので、監督に「どっちもありなので迷ってます」とお話ししたら「僕もどっちもありだと思うんだよね」ということで、結果、何もしないことに。
──そうだったんですね。では特に痩せたり、筋肉を付けたりすることもなく。
もともと筋肉のないヒョロヒョロなので、そのままです。
──そういう雰囲気をお持ちであることも加味された上で本郷さんがキャスティングされたんでしょうね。
だといいんですけど…。まだ作品を観たばかりですし、色々な力を借りて世界観の中にはちゃんと入れていたとは思ってはいるのですが僕自身はもう客観的には観られないので、スクリーンに足を運んでくださる方がどんな感想を持たれるのか、不安がないと言ったら嘘になります。でも皆さんの力が結集された驚くほどの完成度の高さだったので、きっと良い評価が多くなるんじゃないかなと思っていて。今から楽しみです。
──作品全体で特に印象に残っている場面があれば教えてください。
エド&アル兄弟に起こる、人体錬成にまつわる等価交換のシーンですね。幼少期は子役がエド&アルを演じていて、そのままあのシーンもその子たちがやるのかなと思ったら、成長したエドである山田くんに代わっていて。映画の要になる大事なシーンだからこそ、山田くんのお芝居で見ることが出来たのは個人的に良かったなと感じました。あとはやっぱり、エドとアルが兄弟ゲンカをするシーンには胸が熱くなりました。お互いがお互いに感情をぶつけ合うところがかっこよくて。今作で改めて山田くんのお芝居の素晴らしさを実感することが多かったです。
──まさにエドそのものでしたもんね。
そう、まんまエドでした。現場でも感情を高めないといけないシーンばかりだったと思うけど、集中して熱量のあるお芝居をしているのが伝わってきて、尊敬の念を抱きっぱなしでした。