世界中で大ヒット中のTVシリーズ『ゲーム・オブ・スローンズ』。 最新作の第七章放送に合わせて来日したブラン・スターク役のアイザック・ヘンプステッド=ライトにインタビューを敢行。休憩時間に「ヨロシクオネガイシマス」「ネタバレ禁止」と覚えたての日本語を披露して喜ぶティーンエイジャーらしさを見せながらも、インタビューでは自分の考えを明確に言葉にする落ち着いた姿はまさにブランそのもの。そんな彼が語るドラマの魅力とは――。
※本記事には過去シリーズのネタバレがあります。ご注意ください。
少年でありながら、賢い老人のようでもあるブランの二面性を演じる難しさ
──シリーズ開始当初は11歳で、第一章の頃のブランと今のブランでは大きな変化があったわけですが、三つ目の鴉となったブランは今後どのような成長を遂げていくのでしょうか。
今シーズンではブランがどういう風に成長していくかという事よりも、三つ目の鴉になった彼がその能力をどう使うかという事が明らかになっていくんだ。第六章では一生懸命学んではいたけれど、その力をコントロールするには至らなかった。でも彼が何ができるようになるのか、その糸口は提示されていたし、第七章ではそれが完全なものになっていく。そこが今シーズンの見どころの一つになるんじゃないかな。
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──第七章でブランは命からがらようやく“壁”に辿り着きましたよね。今後の彼はどうなっていくのか非常に気になるところです。
僕もすごく言いたいんだけど、言える事は限られてるんだ。第六章でブランは三つ目の鴉になったから、以前とは別人のようになっているんだ。それはまったく新しいキャラクターだと言えるし、新たなチャレンジや新しい側面が見られると思うよ。第七章が始まった今は“壁”という安全地帯にいるけれど、あまり長くはそこにいられないし、ブランは過去も未来も見通せる能力でいろんな情報を持っているから、それを正しい人に賢く伝える事が大事になってくるんだ。
──第六章で子供の頃から一緒にいたホーダーを亡くした事が、今後ブランにどういう影響を与えていくのでしょう。
ホーダーの悲劇は悲しいんだけど、それがブランに影響するかと言えば実のところそうでもないんだ。というのもブランは三つ目の鴉になった事で、そうした身の回りで起こった悲劇も運命、もしくは宿命として捉えるようになっているからなんだ。ブラン個人としてはものすごく悲しんでいるんだよ。自分の過ちがホーダーの死に繋がっていた事、そしてブランが物心ついた頃から既に彼が「ホーダー」としか口にしなくなっていた事が、自分が引き起こしたものだったんだから。でも三つ目の鴉としてはそれも運命として受け入れているんだ。
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──確かにブラン自身は少年ですが、三つ目の鴉になった事でいろんな事に達観するようになり、どこか老成した部分がありますね。そういう二面的な部分を演じるのはやりがいがあるのでは?
今シーズンが一番撮影の難しさを感じたよ。今まではティーンエイジャーのままなんで、そんなに難しく感じる事もなかったんだけど、今のブランは三つ目の鴉になった結果、賢い老人のようになっているからね。世界の歴史を全て頭の中に入れている状況は僕の想像を越えるものだったから、どういう風に反応したらいいのか分からなくなってしまうんだ。撮影自体は楽しんでいたけど、ブランを演じているうちにどこか老人じみてしまって、物腰もなんだか丁寧になってしまったり(笑)。 『ウォッチメン』というコミックスにドクター・マンハッタンというキャラクターがいるんだけど、時間の中を行き来できる彼のどこか達観した感じがブランにちょっと通じるものがあるかな。