Dec 16, 2017 interview

鉄の玉座はなくなるべき!? 『ゲーム・オブ・スローンズ』の“良いヤツキャラ”3人が作品への想いを語りあう

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陰謀と裏切りが横行する熾烈な玉座争いと、人類の脅威となるホワイト・ウォーカーとの戦いを描いたダーク・ファンタジー『ゲーム・オブ・スローンズ』(11~)。狡猾な野心家たちが次々と登場する本作の中で、本人たち曰く“数少ない良いヤツキャラ”を演じたロラス役のフィン・ジョーンズ、ポドリック役のダニエル・ポートマン、ホーダー役のクリスティアン・ネアーンが来日した際、ドラマの魅力を語ってくれた。一部、六章までのネタバレもあるので、未見の方はご注意あれ。

たった一言だからセリフを覚えるのに5分もかからない。だからこそ難しかった

──『ゲーム・オブ・スローンズ』は登場人物が多いのにも関わらず、キャラクターの人間像が非常に濃密に描かれていますよね。その分、役作りも綿密だったのかなと思うのですが、どのように挑んでいったのでしょう?

フィン・ジョーンズ(以下フィン) 僕はまず原作を読んだよ。当時出版されていた4冊を読んで、まず物語のトーンを掴むようにしたんだ。それとロラスは騎士の役だったから、乗馬の訓練はかなりしたな。

ダニエル・ポートマン(以下ダニエル) 僕も役作りのスタート地点として、まず原作を読んだよ。ただ、最初の頃のポドリックはあんまり活躍していなかったから、正直なところ、そんなに作り込む必要はなかったんだよね(笑)。

クリスティアン・ネアーン(以下クリス) 僕の場合はみなさんご存知の通りの役だから、二人と違って原作は読んでないんだ。だってセリフを覚えるのにも、5分もかからないわけだし(笑)。でもホーダーっていうのはすごく興味深いキャラクターだったよ。原作を読んでないから僕は彼のことをよく知らないし、セリフだって一言しかないんだから、本当に想像力だけで作り上げていったんだ。実は僕の母が原作の大ファンで、母なりのセオリーを僕にいろいろ話してくれたんだ。それが役作りに大いに役に立ったよ。

──ドラマを観ていると、「ホーダー」というたった一言であらゆる感情を表現していて、「ホーダー」のバリエーションの多さに本当に感心したのですが、コツというのも変ですが、何か秘訣はあったんですか?

クリス 天性の才能かな(笑)。まぁそれは冗談として。確かにホーダーというのは本当に難しいキャラクターで、彼を演じるなんてできないんだよ。ただホーダーとして生きるしかない。だから僕を僕たらしめているものをどんどん取り除いていって、ある意味で何の色もついていない子供時代に戻るようなアプローチをしていったんだ。ベースになっているのは、まだ若かった頃のちょっとシャイな時代の僕かな。ただこのドラマの中で彼が何者なのか、どんな役割を果たしていくのか、僕の見立てが本当に正しいかは分からないまま最後まで演じていたから、ずっと五里霧中な感じだったよ。僕の見立ては残念ながら外れちゃったけどね(笑)。

『ゲーム・オブ・スローンズ』の希少な良いヤツキャラの共通点は忠誠心?

──自分が考える自身のキャラクターの一番の魅力は何だと思いますか?

フィン ロラスはこの作品のダークな世界観において、一条の光みたいなところがあって、そこが僕が一番気に入っていたところだったんだ。玉座争いの中で、彼の立ち位置も変わっていくわけだけど、騎士である彼は最後まで自分が誰であるのかということを裏切らずに、家族に対してもとても忠誠心を持っていた人だったと思う。

『ゲーム・オブ・スローンズ 第六章: 冬の狂風』
Game of Thrones © 2016 Home Box Office, Inc. All rights reserved.
HBO® and related service marks are the property of Home
Box Office, Inc. Distributed by Warner Bros. Entertainment Inc.

ダニエル 『ゲーム・オブ・スローンズ』はとにかく激しくて、人間関係もすごくダークだよね。でもポドリックはそんな暗い話の中でも、笑いの瞬間を生むことができる数少ないキャラクターなんだ。ポドリックが誰かにからかわれたり、彼の可笑しみのある行動を見て、視聴者は一息つくことができる。僕はそんなキャラクターを演じられることに大きな喜びを感じているし、フィンが言ったロラスと同じく、ポドリックもまた正直で忠誠心があって、何より他のキャラクターみたいに玉座を狙うとか、そういったアジェンダがないのが自由でいいなと思ってるんだ。

『ゲーム・オブ・スローンズ 第六章: 冬の狂風』
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クリス 僕は『ゲーム・オブ・スローンズ』のキャラクターにしても、よりによってこの三人が集まったのが面白いなと思うよ。このドラマに出てくるキャラクターって腹黒くてイヤなヤツが多いのに、僕らが演じた三人は数少ない良いヤツだからね。ホーダーは無垢なところがあるし、周りの人を微笑ませることもできるし、忠誠心もあるし、こんなこと言うのもなんだけど、彼の死に様も僕は大好きなんだ。ちょっとタイムトラベルみたいな捻りが効いてて、大きな物語が完結して散っていくという感じが絶妙だよね。面白いのは、僕は二人のこともよく知っているけど、それぞれのキャラクターにちょっと似ているところがあるんだ。

『ゲーム・オブ・スローンズ 第六章: 冬の狂風』
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──もし三人で一緒のシーンを撮るとしたらどんなシーンがいいですか?

フィン ドラゴンの背に乗って夕日に向かって飛び立つなんていいよね。

クリス でも僕はこの二人と一緒に乗りたくないから、一匹欲しいね。二人はシェアすればいいよ。

フィン まったく、彼はディーヴァなんだよ(笑)。

クリス (日本語で)ハイ(笑)。