――そんなアラタを演じた主演の山田涼介さんは現場ではどうでしたか?
すごく素敵な方でした。とてもコンディションが安定しているというか、自分の普段からの立ち振る舞いも、お芝居も穏やかでいらっしゃる。座長として引っ張っていくってすごく難しいと思うんですけど、涼介さんは彼の存在自体が現場を柔らかくするし、映像を見ていても彼が映ることで観客がアラタというキャラクターにすごく愛着が持てる。『燃えよ剣』を拝見したときにも、それは感じました。組織での涼介さんが「大切なものを思い出す」存在になるというか。グループもやられているので、アドリブを返すのも上手いですし、本当にかっこいい座長だなと思いながら一緒にお芝居させていただきました。
バラエティにもよく出演されているので、それぞれの現場で自分の立ち位置をわかりながら、それに合わせている印象があります。それに対して苦を感じていないし、私をユキノという役として現場に立たせてくれる呼吸をしてくださって、カットの声でそれが変わることもない。日常の中に本番がある方で、とても楽でした。
――独自のコミカルさとユーモア溢れる作風でお馴染みの三木聡監督の作品に出演されたご感想は?
とても面白かったです。リハーサルを4日ぐらい、カメラマンさんも含め衣装合わせの時くらい人を集めて最初から最後までやったんです。監督は、その言葉のニュアンスや間を細かく決めていました。現場がちょっとピリついても監督の一言で空気がふわってゆるんで、彼自身すごく間と言葉を操られている方だなって感じましたね。
今回、私は緊急事態宣言中の自粛期間で三木監督が演出をされていた「シティボーイーズ」のDVDを買って、それを観ながら監督のテンポを理解したいなと思い、そんな風に役作りをしていました。あっ、面白かったのは、監督のメガネがイヤホン付きで、メガネからもセリフが聞こえるんです(笑)
――えっ、あの耳をかける部分から聞こえるんですか?
そう(笑)なんかどこからか聞こえるみたいで。
――まさに特撮ガジェットみたいですね(笑)
ねっ、本当そうですよね(笑)なんか感動しました、監督こんな可愛い方なんだなって。普段はとても厳しい方なんですよ。だけど、その緊張感と安心感、そしてコミカルさみたいなものが現場でも感じられて、良い経験になりました。
――今回、三木監督作品でもお馴染みのふせえりさんとの共演シーンが多かったと思いますが、「まれ」以来の共演ですよね?
はい。ただ、以前「まれ」でご一緒した時と比べて、お芝居の雰囲気が違う印象がありました。本当に笑わせてくるので楽しかったです。私、朝ドラ共演時にふせさんご自身から旦那さんとお子さんがいることは聞いていましたが、旦那様が三木監督だって知らなかったんです!(笑)ただ、お二人ってすごく良い関係性なんですよね。それこそ本作のアラタとユキノのように、仕事を通して深い絆が生まれているのが素敵だし、だからこそ監督が2人の関係を素敵に描けたのかなって思います。
――撮影時に挑戦的だったことはありますか?
グリーンバックを使っているので、やはり撮影時に怪獣のサイズ感がわかりきれなかったことですかね。数字だけだとピンとこないけど、完成した映像を観て「なんじゃこりゃ〜!」って思いました(笑)
――ちなみに、もし現実に怪獣が現れたら?
会いに行きますね!フレンドリーで可愛い怪獣がいいなあ。「ウルトラマンガイア」のルクーみたいな怪獣に会いたいです。