―― 情報はあまり入れないようにしていたのですか。
もちろん、原作である漫画は全部読みました。【ぼたん】というキャラクターを突き詰めるためにもやれることはやりましたが、実際に漫画やアニメがどれくらいの人気で、その中で【ぼたん】のキャラクターがどれだけ愛されているのか実感がないというか、リアルタイムで見ていなかったのでドラマが配信されるまで実感していませんでした。
―― 俳優を続ける上で“ブレないでおこう”と思うことは何ですか。
どんなに悪い役であっても、自分の演じる役を好きでいること。どんな役でも“ここ好きだな”って思う部分が絶対にあるんです。そこを見つけることと、あとは好奇心。その役が何を考えているのか、役作りの全ての原動力は好奇心だと思うので、好奇心は失わずにいたいと思います。
―― 次のステップ(目標)に進むためにしていること、又はしようと思っていることを教えて下さい。
より深い演技をしていきたいと思っています。だから、これも役や作品との出会いになりますが、その場で本当に生きているみたいに演じられるようになるためにはどうすればいいのか?を常々考えていますし、今後の目標でもあります。
その為に映画や舞台に限らず、漫画やアニメを見たり、ポップスからクラシックなどジャンル問わず音楽を聴いたり、とにかく色々な感性、色々な感じ方をインプットしています。
鯨庭さんの漫画「千の夏と夢」に描かれていた「賢さとは優しさである」という言葉が強く印象に残っているとラジオアプリのインタビューで教えてくれた古川琴音さん。演技をする上で大事にしているという、どんな役にも良いところを見つけて好奇心を忘れずに人や歴史を探求していく思いが、作品に反映されるから彼女の役が印象に残るのだと気付かされました。映画やドラマ、演劇は作り物の世界だけれど、間違いなく現実世界から影響されて生まれている。だからエンターテインメントから現実の世界にアプローチすることだって出来る。今作のテーマである「誰かの不幸の上に、誰かの幸せは成り立っている」だって、真実のひとつ。それを知った上で私たちがどんなアクションを起こすのが良い世界になるのか。せめて映画の冒頭に描かれる「誰かの幸せを願い、他者の笑顔から幸せを味わう」人になりたいと私は思うのです。
看護学生の“孫”は、ひょんなことから田舎に住む祖父母に会いに行く。久しぶりの再会、家族水入らずで幸せな時間を過ごすが、彼女はどこか違和感を覚える。祖父母の家には「何か」がいる。そしてある時から、人間の存在自体を揺るがすような根源的な恐怖が迫って来る‥‥。
原案・監督:下津優太
総合プロデュース:清水崇
出演:古川琴音、松大航也
配給:KADOKAWA
©2023「みなに幸あれ」製作委員会
2024年1月19日(金) ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国順次公開
公式サイト minasachi