Aug 24, 2023 interview

佐藤浩市インタビュー 役者たちが熱気のある熱い戦いを見せてくれた『春に散る』

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人気作家・沢木耕太郎の原作を映画化した『春に散る』。元ボクサーと再起をかける若きボクサーの命をかけた願いと戦いを描いた作品で、主人公の元ボクサー【広岡仁一】を演じるのは佐藤浩市。その仁一にボクシングを指導して欲しいと頼む【黒木翔吾】には横浜流星、他にも山口智子、橋本環奈、哀川翔、片岡鶴太郎、坂東龍汰、窪田正孝と豪華な顔ぶれとなっています。本作の監督を務める瀬々敬久に「主演は浩市さんしか思いつかなかった」と言われ出演を熱望された佐藤浩市。

1980年のデビュー以来、映像俳優一本で様々な作品に呼ばれ続ける日本映画界の大ベテラン・佐藤浩市さんに。今回は役者という仕事への想いを伺います。

―― 佐藤さんは『青春の門 自立篇』(1982)でボクサー役を演じられています。そして年月を経て今回、ボクシングを教える役を演じることも感慨深いです。

『青春の門 自立篇』の時は22歳。撮影当時、そんなに真剣にはボクシングに取り組んでいませんでしたが、具志堅用高さんに来ていただいてボクシングを教えてもらいました。当時は、ボクシングシーンを撮るにしても「映画だから、役者さんが演じているから」と大目にみてくれるというか、許される部分がありました。でも、今の人たちにはそれが許されない、本当にやっていないと色々と言われてしまうんです。だからそういう意味でも、横浜流星、窪田正孝、坂東龍汰は、真剣にやっていました。そんな彼らの姿を見ているのは心地良かったですね。   

―― 佐藤さんは、瀬々敬久監督とは何度もお仕事をされています。瀬々監督が信頼されているのだろうと感じていますが

特に仲が良いわけではないんだけどね(笑)。そんなに仲良くないのに「一緒にやろう」と言ってくれるということは“俺の芝居は嫌いではないんだろうな”とは思っていますよ(笑)。