Dec 27, 2018 column

2018年アニメ映画総括「アニメ映画に泣かされた1年」

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最初に書いたとおり、僕自身も劇場でかかったアニメ作品を全て見たわけではないため、あくまでも僕が見た中で記憶に強く残った作品をいくつか挙げてみた。すでにレンタルや配信が開始されている作品もあるので、それらを年末年始にご覧になるのもいいかもしれない。

だが、18年のアニメ映画で目についたのはその本数ではない。とにかく良質で、記憶に残る作品が多かった。感動の理由も何が感情を刺激してきたのかもそれぞれで異なるが、なんとも劇場で泣かされることが多かった1年だった。本稿で挙げたのも僕がそう感じた作品にしぼっているが、まだ書き足りないほどだ。

作品数の変化は今や避けられない配信事業者や海外資本の参入増加によるところも大きいし、アニメ映画の制作には数年かかることを考えれば16年の『君の名は。』大ヒットの影響が徐々に出始めてきたのが今年であったというのも大きいだろう。

しかしそういったビジネスライクなことだけではなく、過去何年もの間にじっくりと受け手に対しての信用を築き上げてきた作り手による作品がたて続き、花開いた年であったように思う。その信用というのは「この作り手の新作を見てみたい!」と思わせる信頼や期待だ。リリース側の状況とこれまでの信用の蓄積、そして受け手の期待値の高まりが同時多発・偶発的に続いたのが今年だったのではないか。

さて、来年はどうなるのだろう。すでに発表されている中でも湯浅政明監督のオリジナル劇場新作『きみと、波にのれたら』(6月21日公開予定 https://kimi-nami.com/)。『リズと青い鳥』に続くシリーズ最終作『劇場版 響け!ユーフォニアム~誓いのフィナーレ~』(4月19日公開予定 http://anime-eupho.com/)、大ヒットシリーズ『ソードアート・オンライン』の伊藤智彦監督によるオリジナル劇場アニメ『HELLO WORLD』(19年秋公開予定 https://hello-world-movie.com/)。あの大ヒット作に30分近いシーンが加えられる『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』(公開日未定 https://ikutsumono-katasumini.jp/)も控えている。さらにこう書いている間に飛び込んできたのが『君の名は。』の新海誠監督の新作『天気の子』の発表で、早くも大きな話題だ。(7月19日公開予定 https://tenkinoko.com/) また、メジャー作ではないが、15年に製作され各地で限定的な上映がされていたストップモーションアニメ(人形アニメ)中編『ちえりとチェリー』がイオンシネマでの全国公開となったことも楽しみだ。気になり続けていたもののなかなか見られる機会が合わなかったのだが、ようやく見ることが出来そうである。(2月15日公開 http://www.chieriandcherry.com/

いくつもの作品との出会いに今からワクワクしている。

文 / 岡野勇(オタク放送作家)