Jan 20, 2018 column

あれから40年、僕たちはどう生きてきた?いま再びマジンガーZが“元・男の子”たちの魂を震わせる!

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『劇場版 マジンガーZ / INFINITY』(http://www.mazinger-z.jp/)が公開された。

今さら書くまでもない。『マジンガーZ』はスーパーロボットの代名詞でもあり金字塔とも言えるテレビアニメだ。若い世代の人たちにはゲーム『スーパーロボット大戦』に登場するロボットという印象の方が強いだろう。

放送されたとき僕は5歳。現在50歳の僕はまさにド真ん中で見ていた世代になる。 次回作『グレートマジンガー』の放送終了(1975年)から約42年を経て、完全新作の劇場版が製作公開となった。このことに昂ぶる思いを抑えきれない“元・男の子”たちは多いだろう。それを反映するかのように公開中の劇場内は平均年齢が50歳前後。見るからに同世代の客、それも男性ばかりだった。テレビを見て『東映まんがまつり』にも来ていたような世代であふれる場内の光景は『over50向けまんがまつり』の感すらある。

テレビアニメ『マジンガーZ』は1972年に放送が始まった。正確にはアニメではなく、まだ“てれびまんが”と呼ばれていた時代だ。この“てれびまんが”に男の子たちは熱狂した。これはもう決めつけ的な書き方をしてしまうが、僕と同世代の男子で『マジンガーZ』を見ていなかった奴はいるのか?いや、いないだろ、とすら思う。

当時は再放送も頻繁に行われていた時代ゆえにそれで見ていた人たちも多いと思う。だから、おそらく正確には現在の40代以上の“元・男の子”のほとんどが見ていたのではないかと思っている。『マジンガーZ』に『仮面ライダー』に『ウルトラマン』。それが男の子の共通言語だった。(女の子の場合はまた違うのだけど) 現代のように「多くの子が知っているが、知らない子もいる」というレベルの世代共通言語では無く「誰もが知っている」作品だった。なにしろ最高視聴率は30%(!)を超えたのだ。数々の必殺技や武器を繰り出して戦う巨大ロボット。カッコイイが、それでいて親しみやすい主人公。強大となる敵に合わせパワーアップしていく主役ロボット。全てが僕らを虜にした。水木一郎が歌う主題歌は、今やアニメソングの定番であり名曲だ。

ポピーから発売されたダイキャスト製のおもちゃ『超合金』も大ヒット。製品名はもちろん劇中でマジンガーZの素材とされている架空の金属「超合金Z」に由来し、商品ラインナップ第1号も『マジンガーZ』だった。現在も大人向け商品としてバンダイから『超合金魂』シリーズが発売されているが、このシリーズでも97年に発売された第1号は『マジンガーZ』だった。

アニメ・マンガ史的にも重要な作品で、今ではお馴染みどころか当たり前となっている「主人公が大きな人型ロボットに乗り、操縦をする」というスタイルはこの『マジンガーZ』が初の作品となる。その意味では現在の巨大ロボットアニメ全ての元祖と言っても過言では無い。(それ以前の巨大ロボットは『鉄人28号』に代表されるように遠隔操作などによって動いていた)

大人気となった本作は約2年間放送され、その最終回はあまりにも劇的だった。