Dec 30, 2016 column

『シン・ゴジラ』だけじゃない!2017年も怪獣たちの総進撃は続く!!

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2016年、様々な映画がスクリーンをにぎわせた。中でも社会現象まで巻き起こした『シン・ゴジラ』での怪獣王ゴジラ復活は、あまりにも見事で、「2016年は自分にとってゴジライヤーだった」という方も多いことだろう。
だが、2017年も怪獣たちの活躍は終わらない。怪獣たちの総進撃はまだまだ続くのだ!

 

まず、本家東宝が放つアニメーション映画『GODZILLA』(2017年公開)。
舞台は未来となり、ストーリーや設定などにおいて『シン・ゴジラ』とリンクするものではないが、それだけに『シン・ゴジラ』とは違った形のオリジナリティを期待したい。

スタッフの座組みが強力なのも、『GODZILLA』に対する期待度を押し上げる。
監督は劇場版『名探偵コナン』の静野孔文と『亜人』の瀬下寛之で、制作はポリゴン・ピクチュアズ。セルアニメ調の3D CGの映像表現もすばらしかった、アニメ『シドニアの騎士』のチームである。
そして、脚本を虚淵玄が担当することも話題を呼んでいる。『魔法少女まどか☆マギカ』でブレイクした虚淵だが、『仮面ライダー鎧武』や武侠人形劇『Thunderbolt Fantasy 東離劍遊紀』など、新たに挑んだジャンルでも実績を残しているだけに、ゴジラにおいても「虚淵ならではのスゴいものが見られるのでは!?と思わせてくれる。

 

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ゴジラ関連では、ハリウッドでの展開も注目だ。
2017年3月25日に日本公開の『キングコング:髑髏島の巨神』では、アメリカが誇る怪獣キングコングが大暴れする。キングコングには歴代最大級のサイズ(ゴジラシリーズの『キングコング対ゴジラ』のキングコングよりは小さいようだが……)が与えられ、タイトルの“巨神”にも納得せざるをえない。予告編を見ると、四つん這いでなく直立して歩いているため、余計に巨大感と神々しさと迫力がある。

『キングコング:髑髏島の巨神』の製作は『パシフィック・リム』『GODZILLA ゴジラ』などのレジェンダリー・ピクチャーズで、2020年公開予定の『GODZILLA VS KONG』ではゴジラ対キングコングという夢の対決も決まっている。
1962年の東宝製作の『キングコング対ゴジラ』の結末は両者リングアウトだったが、今回はどうなる!? それを確かめるためにも、『キングコング:髑髏島の巨神』はおさえておこう!

 

KONG: SKULL ISLAND

 

洋画ではスティーヴン・スピルバーグが監督を務める『ゲームウォーズ』も見逃せない。
もともとは2017年公開予定だったものが2018年3月全米公開に延期されたのだが、本稿のテーマ的に無視できない1作なので紹介しよう。
原作は『ファンボーイズ』の脚本家アーネスト・クラインが手がけた小説で、オンライン世界で宝さがしが繰り広げられるSF青春アドベンチャーだ。舞台は2041年の未来だが、ゲームや音楽、映画などの80年代ポップカルチャーがたっぷりと詰め込まれ、日本のアニメや(怪獣も含めた)特撮のキャラが登場することも原作刊行時に大きな話題となった。

ネタバレになるので詳しくは書けないが、東映版『スパイダーマン』の巨大ロボのレオパルドンも活躍すると言えば作品のノリをわかってもらえることだろう。レオパルドンだけでなく、アニメのロボットも複数登場し、あの特撮ヒーローとあの怪獣の作品の垣根を超えた戦いまで描かれる。
ハリウッドのメジャー作だけに、権利関係をクリアして、これらのキャラたちにはそのままの姿で登場してほしいところだ。

まったくの余談だが、当初、クリストファー・ノーランが『ゲームウォーズ』の監督就任を打診されたらしいという情報もあった。スピルバーグの起用に不満があるわけではないが、極力CGに頼らない手法で知られるノーランならば、たっぷり予算と時間をかけたミニチュア特撮で、あのキャラやあのキャラの活躍を描いてくれたのではないかと妄想してしまう。ノーラン版も見たかった!

国内作品では、『ウルトラマンオーブ』の劇場版が2017年3月11日に公開される。2016年7月~12月に放映されたテレビ版は、小林旭の無国籍ヒーロー的要素まで詰め込んだ異色のテイストだったが、劇場版でもハジけてくれることだろう。
間違いなく今後の特撮を担っていく才能の持ち主である田口清隆が監督で、脚本はオタクテイストの成人向け作品でも注目を集めていた中野貴雄。新テレビシリーズの『ウルトラマンゼロ THE CHRONICLE』とあわせて楽しもう。

 

2016年はゴジラが社会を席巻したが、個人的には2017年でのガメラの復活を希望も込めて期待したい。
2015年10月に50周年を記念したショートムービー『GAMERA』がニューヨークのコミコンで公開され、「ガメラ復活!」とファンを驚喜させた。
筆者はその当時、『GAMERA』の監督である石井克人にインタビューしたのだが、映像完成後もプロジェクトは引き続き動いており、石井も劇場版長編の制作にも前向きとのことだった。2017年には、そろそろ次の展開が見たいものだが……。
ちなみに、このときのインタビューでは、石井が『シン・ゴジラ』総監督の庵野秀明とスペクタクル映画の作り方についてプライベートで語り合ったという話も聞けた。両監督が出した結論は「(スペクタクル映画の制作では)プレビズが大事」だったという(※プレビズ/簡易な3D CGで映画のシーンを映像化したもの。プレビズを見て、そのシーンを検討したり、キャスト・スタッフがシーンの内容を把握する)。

『シン・ゴジラ』の制作においてプレビズが有効だったことはよく知られているが、『GAMERA』も同じ方法論を踏まえていると言えそうで、ますます長編版『GAMERA』が見たくなる。2017年はガメライヤーになることも期待しよう!

文/武富元太郎

 

作品情報

 

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『GODZILLA』

監督:静野孔文、瀬下寛之
ストーリー原案・脚本:虚淵玄(ニトロプラス)
配給:東宝映像事業部

公式サイト: godzilla-anime.com
2017年全国公開

 


 

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『キングコング:髑髏島の巨神』

出演:トム・ヒドルストン、ブリー・ラーソン、サミュエル・L・ジャクソン、ジョン・C・ライリー、他
監督:ジョーダン・ヴォート=ロバーツ

公式サイト: www.kingkong-dokuro.jp
2017年3月25日(土) 全国公開