1883年に出版され、100年以上にわたって世界中で読み継がれてきた児童文学であるイタリアの作家カルロ・コッローディの「ピノッキオの冒険」。ディズニーによるアニメーションも広く親しまれてきた奇想天外な大冒険を『ゴモラ』の鬼才マッテオ・ガローネが原点に回帰して、斬新にビジュアライズした映画『ほんとうのピノッキオ』。
ピノッキオの旅の途上に登場する世にも奇妙な生きものたち、人生の不条理や社会風刺を盛り込んだ寓話的なストーリー展開を、圧倒的な映像美で描き出した本作。本国イタリアで公開されるやその年公開のイタリア映画No.1の動員を記録し、オスカー候補にも名を連ねた。絢爛にして驚きに満ちた、まさに大人のためのおとぎ話と呼ぶにふさわしい、神秘的で驚きに満ちたダークファンタジーとなっている。
この度、丸太棒から生まれたピノッキオが完成するまでの特殊メイクの過程を捉えたメイキング映像が公開された。
本作の大きな見どころであるピノッキオやクリーチャーたちの特殊メイクは、『ハリー・ポッター』シリーズや『ボヘミアン・ラプソディ』など多くの話題作を手掛け、『グランド・ブダペスト・ホテル』『マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙』で2度のアカデミー賞に輝いたマーク・クーリエが担当。公開されたメイキング映像では、マーク・クーリエやマッテオ・ガローネ監督が細部まで拘り尽くし、CGを用いずに特殊メイクによってつくられたピノッキオの制作過程の一部始終を切り取っている。
初期段階の構想イラストから、粘土や彫刻などを使用して数えきれないほどブラッシュアップを重ねた後、ピノッキオを演じたフェデリコ・エラピの輪郭に合わせて調整。最終的な造形に辿り着くまでにはなんと約1年もの月日を要したという。
デザインが固まった後は、ピノッキオを構成するパーツひとつひとつを制作していく。イメージしたピノッキオを忠実に表現すべく、木目の溝や年輪の一本一本など、その細かいニュアンスを驚くほど緻密に仕上げている。メイキング映像ではピノッキオの鼻や耳といったパーツがずらりと並んだ様子も垣間見えるが、それもそのはず、驚くべきことにそのマスクは一度しか使用ができない“使い捨て”のもの。装着はもちろん、木目の色付けなど一回でも気の遠くなるような作業を毎回ゼロから実施。それを約3か月間の撮影期間中、毎日4時間以上かけて子役のフェデリコ・エラピへ特殊メイクを施したという。まさに“職人”と呼ぶにふさわしい、精密機械のようなメイク技術の高さはもちろん賞賛に値するが、そんな過酷な現場を駆け抜けた、撮影当時わずか8歳のエラピのプロ意識の高さはさらに驚愕である。ガローネ監督はエラピについて「彼はピノッキオという役を完璧に理解していた。本人の性格自体は(悪童である)ピノッキオとは正反対だったけど、一方でエラピの純粋な部分も生きていた。現場は大変だったけど愛情込めて演じきってくれたんだ!」と絶賛した。
唯一無二の世界観を作る上で最も重要と言っても過言ではない、ピノッキオの造形。その圧倒的なクオリティの高さに注目の映画『ほんとうのピノッキオ』は、11月5日(金)よりTOHOシネマズ シャンテ他にて全国公開。
あなたはまだ知らない、本当のピノッキオを…
貧しい木工職人のジェペット爺さんが丸太から作った人形が、命を吹き込まれたようにしゃべり始めた。ピノッキオと名付けられたやんちゃな人形は、ジェペットのもとを飛び出して、森の奥深くへと誘われる。道中、ターコイズ・ブルーの髪を持つ心優しき妖精の言いつけにも、おしゃべりコオロギの忠告にも耳を貸さない。なおも命からがらの冒険を繰り広げるピノッキオは、はたして「人間の子どもになりたい」という願いを叶えられるのだろうか。
監督・共同脚本:マッテオ・ガローネ
出演:ロベルト・ベニーニ、マリーヌ・ヴァクト、フェデリコ・エラピ
配給:ハピネットファントム・スタジオ
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2021年11月5日(金) TOHOシネマズ シャンテ他にて全国公開