芥川賞作家・金原ひとみが歌舞伎町を舞台に描き、第35回柴田錬三郎賞を受賞した小説が、松居大悟が監督を務め、主演に杉咲花を迎えて実写化される。この度、映画『ミーツ・ザ・ワールド』の公開が決定し、あわせて、超特報映像とティザービジュアルが公開された。

原作は、第35回柴田錬三郎賞を受賞した金原ひとみの同名小説。金原の作品の映画化は、第130回芥川賞を受賞したデビュー作「蛇にピアス」以来、17年ぶり。
監督を務めるのは、公開を控える『リライト』のほか『くれなずめ』『ちょっと思い出しただけ』など青春という一瞬の輝きを描いてきた、松居大悟。
擬人化焼肉漫画「ミート・イズ・マイン」に全力で愛を注ぎながらも、自分のことは好きになれない主人公 由嘉里を、杉咲花が演じる。
【コメント】
▼杉咲花
自分も誰かにとっての他者。そこに引かれた線のただただ寂しいとき、この映画を利用してほしいです。孤独をむしゃむしゃ噛み砕くふつつかな心意気が、疲れてしまった誰かの血肉になってくれたらと心を込めました。ご期待ください。
▼金原ひとみ(原作)
エンドロールで自分の名前が流れてきたのを見て、そうか自分が書いたんだ、とびっくりするほどのめり込んで観ました。それぞれに思いを託し、言葉で編み上げたキャラクターたち、行き場のない思いを拾い集めて紡いだストーリー、祈りを込めたラストシーンが、松居さんの斬新な演出と、素晴らしいキャストによって新たな作品に昇華していました。同じ世界に生きられない人を愛してしまった全ての人に、この物語が届きますように。
▼松居大悟(監督)
どう生きるべきとか死ぬべきとか、見渡すと限りない善意も悪意も蔓延っていて、何を選択するにも途方に暮れてしまう。ラベルを貼って、ラベルを貼るなと追求して、ラベルを貼らないと生きていけない者もいて。「それでも生きるのは素晴らしい」なんてざっくりした肯定すら煩わしくて。今回初めて、『生きること』についての映画に挑みたいと思いました。この金原ひとみさんの原作や制作過程が、そうさせてくれました。この物語の主人公である会社員の由嘉里は、大好きな擬人化焼肉漫画で、推しのマイナーキャラをカップリングして妄想することが心の支えで。映画を作る中で唯一確かだったのは、誰かや何かを、推す、眩しさです。信じる気持ちは眩しくて、狂気を孕んでいて、狭いからこそ光は眩しい。由嘉里を演じる杉咲花さんと、長い時間をかけて魂を込めて、この作品に挑みました。なんだか怖い歌舞伎町が少し愛しくなりました。ちょっと長くなりましたが、ここで伝えたいことはひとつです!映画おたのしみに!
映画『ミーツ・ザ・ワールド』は、2025年10月24日(金)より全国公開。

擬人化焼肉漫画「ミート・イズ・マイン」に全力で愛を注ぎながらも、自分のことは好きになれない由嘉里。27歳になって結婚・出産‥‥と違う世界に次々と離脱するオタク仲間をみて、このまま仕事と趣味だけで生きていくことへの不安と焦りを感じ、婚活を始めることに。しかし参加した合コンで惨敗。歌舞伎町の道端で酔いつぶれていたところ、美しいキャバ嬢・ライに助けられる。その出会いは、由嘉里を新たな世界に導いていく。
監督:松居大悟
原作:金原ひとみ「ミーツ・ザ・ワールド」(集英社文庫 刊)
主演:杉咲花
配給:クロックワークス
©金原ひとみ/集英社・映画「ミーツ・ザ・ワールド」製作委員会
2025年10月24日(金) 全国公開
公式サイト mtwmovie