Mar 09, 2023 news

アカデミー賞主演男優賞に初ノミネートのブレンダン・フレイザーが272 キロの巨体に変貌するメイキングが公開 映画『ザ・ホエール』

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全身全霊を懸けた渾身の演技で圧巻の存在感を見せつけた主演のブレンダン・フレイザーに絶賛の声が寄せられ、ブレンダン初のオスカーの栄誉にも期待が高まる、映画『ザ・ホエール』。

スター俳優として『ハムナプトラ』シリーズや『センター・オブ・ジ・アース』の主演を 務めるも、プライベートでの不幸が重なりハリウッドの表舞台から長らく遠ざかっていた彼が、特殊メイクで272 キロの巨体の男チャーリーになりきるべく、特殊メイクで変身する様子を捕らえたメイキング映像が公開された。

映像では、ブレンダンがスタッフ2人の手によって次第に肉付きのよいチャーリーに変貌していく様子がタイムラプスで切り取られる。メイクの途中に寝落ちしてしまうブレンダンの姿もしっかり収められているが、なんとこのメイクにかかった時間は4時間超。撮影期間はおよそ40 日間に及び、毎回スタジオに早入りし4時間かけてチャーリーになるための特殊メイクを施したうえで、余命幾許もなく身を削るような役を演じるという肉体的にも精神的にもハードな撮影を行っていた様子が伺える。

©courtesy of A24

これまで幾度となく主演俳優をオスカーノミネートの場に引き上げてきたダーレン・アロノフスキー監督は、体重272キロのチャーリーの姿は、人間として精神の極限状態であること、命を脅かすほど深刻な状態であることが伝わらなくてはいけないと考えながらも、同時に、顔を分厚いメーキャップで覆いすぎて、様々な感情を示す表情が見えづらくなることは絶対に避けたいと考えていた。

そこで、『ファウンテン 永遠につづく愛』『ノア 約束の舟』『マザー!』でも度々タッグを組み、絶大な信頼を寄せるプロセティック・メーキャップ(特殊メイク)アーティストのエイドリアン・モロットに相談を持ち掛ける。モロットは、本作のために史上初の100%デジタル技術による特殊メイクを開発して、役柄の身体と彼を演じるフレイザーとの境目が分からないようにし、さらにブレンダンが顔の筋肉を自由に動かせるようにするために、3D モデリングを使ってデジタル・スカルプチャーを作成。その後、クレイを使ったスカルプチャー作りを省いて、すぐに3Dプリントを行った。すべての特殊メイクをデジタル技術で作りだす方法は今回が長編映画初の試みとなり、見事、本年度アカデミー賞のメイクアップ&ヘアスタイリング賞へのノミネートへと繋がった。

さらに、ボディも同様にデジタル技術で制作が行われ、5人がかりで着脱せねばならないほどの重たいファットスーツを身に着けながら演技をしたブレンダンは「あれを着た状態で動けるようになるまで、徹底的なトレーニングを行った。そんなところに筋肉があったのか、と思うような筋肉がたくさん鍛えられたよ。肉体的には今まで演じてきた役の中でダントツでハードだった。若い頃、砂漠の中で走り回ったことなんて、これに比べればなんてことないよ!(笑)」と振り返る。

最終的には、スーツを脱いだ際にバランスを失い眩暈を覚えるほど体に馴染むようになっていた、というエピソードからも、ブレンダンがいかに役柄にのめりこんでいたのかを伺い知ることができる。

映画『ザ・ホエール』は4月7日より TOHO シネマズシャンテほかにて全国公開

作品情報
映画『ザ・ホエール』

ボーイフレンドのアランを亡くして以来、現実逃避から過食状態になり健康を害してしまった40代の男チャーリー。アランの妹・看護師のリズの助けを受けながら、オンライン授業でエッセイを教える講師として生計を立てているが心不全の症状が悪化し、命の危険が及んでも病院に行くことを拒否し続けている。しかし、自分の死期がまもなくだと悟った彼は、8年前、アランと暮らすため家庭を捨てて以来別れたままだった娘エリーに再び会おうと決意。彼女との絆を取り戻そうと試みるが、エリーは学校生活や家庭に多くの問題を抱えていた‥‥。

監督:ダーレン・アロノフスキー

原案・脚本:サム・D・ハンター

出演:ブレンダン・フレイザー、セイディー・シンク、ホン・チャウ、タイ・シンプキンス、サマンサ・モートン

配給:キノフィルムズ

©courtesy of A24
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2023年4月7日(金) TOHOシネマズ シャンテほか全国公開

公式サイト whale-movie.jp