コラム 佐々木誠の『映画記者は今日も行く。』第229回
お笑いタレントの渡辺直美が、8月8日に都内で行われた『映画ドラえもん のび太の新恐竜』の公開記念舞台挨拶に登壇した。
2020年は「ドラえもん」の連載開始から50周年の節目にあたり、長編映画としては1980年公開のシリーズ第1弾『映画ドラえもん のび太の恐竜』から数えて40作目となる本作。
渡辺は「長編映画40作目という記念すべき作品に出させて頂けて嬉しかったです!」と笑顔で挨拶すると、「顔芸だけでここまで来たので(笑)、声だけの演技はあんまりなく、監督に全部お任せしました。結構セクシーな役柄だったので、監督から『もっとセクシーにお願いします』って言われたりして(笑)。すごく楽しかったです」と収録現場を振り返っていた。
収録と言えば、本作で渡辺はゲスト声優として、木村拓哉演じる白亜紀に存在するはずのない猿の姿をした男・ジルと通信する怪しい女上司・ナタリーの声を担当しているが、「まさか木村さんの上司役をやる日が来るとは。すごくドキドキしていました」と興奮するも、「楽しみにしていたんですが実際にはお会いできなかったんですよね・・・」と肩を落とす渡辺だった。
また、この日はドラえもんをイメージした、というよりもはや瓜二つの格好で登場した渡辺。本作のスペシャルサポーターでありMCも務めた、テレビ朝日の弘中綾香アナウンサーから「直美さんのフォルムも似ているというか」と指摘されると、「今、ハッキリ言いましたよね?」とカチンとなりながら渡辺は「最初お話を頂いた時は、ついに(ドラえもんの)実写版が来たかと思いました(笑)」と早とちりに照れ笑いを浮かべていた。
さらに、弘中アナが「自分で言うのもなんですが、私もドラミちゃんなんですぅ」と自身の可愛らしい格好に注目を集めさせると、のび太(着ぐるみ)は「すごく似合ってるー」と大興奮し、ドラえもん(着ぐるみ)も「ドラミよりは痩せてるよね。もっとメロンパン(ドラミの好物)食べたほうがいいよ」とアドバイスをおくると、「食べます!」と喜ぶ弘中アナに対し、「今度僕がプレゼントしてあげるよ」と太っ腹な一面をのぞかせるのび太の姿に、「お小遣い少ないのに・・・」と心配するドラえもんだった。
なお、本作は当初3月6日からの公開を予定していたが、新型コロナウイルスの影響により延期。約5ヶ月遅れでの公開となったわけだが、メガホンを執った今井一暁監督は「映画製作中はまさかこういう状況になるとは思ってもいませんでした。今、一番ストレスを受けているのは子どもたちだと思うので、1〜2時間という短い時間ではあっても、心からハラハラワクワクして楽しい時間を過ごしてくれたらこんなに嬉しいことはありませんし、こんなに誇らしいことはありません。これこそがエンタテインメントの本懐です」とメッセージを届けていた。
『映画ドラえもん のび太の新恐竜』(東宝配給)は、のび太と双子の恐竜の出会いから始まる物語を、シリーズ第1弾『映画ドラえもんのび太の恐竜』(1980)とは異なるオリジナルストーリーで描いた、長編映画40作目。
監督:今井一暁
脚本:川村元気
声の出演:水田わさび、大原めぐみ、かかずゆみ、木村昴、関智一、木村拓哉、渡辺直美 ほか
8月7日(金)より全国公開中。
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