コラム 佐々木誠の『映画記者は今日も行く。』第192回
女優の松岡茉優が、2月20日にTOKYO DOME CITY HALLで行われた、映画『ちはやふる -結び-』の完成披露試写会舞台挨拶に登壇した。
千早振る松岡茉優。 千早振る(ちはやぶる)とは、[勢いが激しい]という意味だが、ステージ上でも松岡のトークの勢いは凄まじく、場を仕切りながら開口一番、「皆さんにお会いする時に、詩暢ちゃん(役名の【若宮詩暢】)でいたらいいのか、普段の松岡でいたらいいのか分からなくて。どっちが欲しいの?」と客席に尋ねると、『詩暢ちゃん!』との返答に納得しながらも、「自分と役とのギャップがありすぎて。それがこの役どころの難しさかな。こういう場ではキャラらしく振舞うべきか、素の自分を出していいのか迷う」と頭を悩ませていた。
一方、野村周平(【真島太一】役)と、新田真剣佑(【綿谷新】役)に対し、MCより『千早のような一途な女の子を振り向かせるにはどうする?』という甘酸っぱい質問が投げ掛けられると、それにすぐさま反応した松岡が「なんか私たちのエピソードトークと違いすぎない?」と不満を漏らしていると、「僕は(綿谷)新としてしゃべればいいのか、新田真剣佑としてしゃべればいいのか、尊氏(現在放送中のドラマ『トドメの接吻』での役名【並樹尊氏】)でしゃべればいいのか、どれですか?(笑)」とおどけ、客席から歓声を浴びる真剣に、「ちゃんと質問に答えてー」と、イライラを募らせる松岡だった。
改めて、真剣は先ほどの質問に「何かに向かって頑張ってるなら、達成するまで応援したいですね。終わるまで待つよ」と、爽やかな笑顔で回答すると、客席からは再び『キャー!!』の大歓声が。対して、野村が「じゃあ、僕はいきますよ。一緒に頑張って同意を求めます」と回答すると、【綾瀬千早】役の広瀬すずは「私は待ってほしいです」と、あっさり真剣に軍配を上げ、「何だよ何だよ、イケメン好きか?」とふてくされる野村の姿があった。
最後に、広瀬は「私たちにしか生まれないものが絶対にあると思っています。3年間の全部をかけて『ちはやふる』という作品ができたと思うので、登場人物の想いを受け取ってもらえたら嬉しいです。自信を持って皆さんにお届けできる映画になりました」と、これから映画を鑑賞する観客へメッセージを届けていた。
舞台挨拶にはその他、小泉徳宏監督、出演の上白石萌音、矢本悠馬、森永悠希、優希美青、佐野勇斗、清原果耶、賀来賢人が登壇した。
映画『ちはやふる -結び-』(東宝配給)
映画『ちはやふる -結び-』(東宝配給)は、末次由紀による大ヒットコミックを実写映画化した『ちはやふる -上の句-』『ちはやふる -下の句-』の続編で、瑞沢高校競技かるた部の1年生・綾瀬千早が、クイーン・若宮詩暢と壮絶な戦いを繰り広げた全国大会から2年後を舞台にした物語。
監督・脚本:小泉徳宏 出演:広瀬すず、野村周平、新田真剣佑、上白石萌音、矢本悠馬、森永悠希、優希美青、佐野勇斗、清原果耶、松岡茉優、賀来賢人、清水尋也、坂口涼太郎、松田美由紀、國村隼 ほか