Feb 24, 2017 news

もうひよっこなんて呼ばせない、有村架純がたどる本格女優への道

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コラム 佐々木誠の『映画記者は今日も行く。』第40回

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『3月のライオン  前編』の完成披露試写会舞台挨拶が2月22日、東京国際フォーラム  ホールAで行われた。 舞台挨拶には、大友啓史監督、出演の神木隆之介、有村架純、倉科カナ、染谷将太、清原果那、佐々木蔵之介、前田吟、中村倫也、奥野瑛太、新津ちせ、豊川悦司が登壇した。

「紅白歌合戦みたいですね」

『3月のライオン』の巨大パネルをバックにし、隣に立つ有村架純の姿を見ながら、豊川悦司はそうつぶやく。

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彼の頭の中でもすでに、[紅白歌合戦=有村架純]というイメージが印象付けられていたようだ。 紅白の司会を務めたことで、有村架純の名は、若者だけではなく、年配層にまでさらに広く浸透していった。

中学生の頃から女優への道を見据えていたという有村。

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2010年放送のTBS系ドラマ『SPEC  〜警視庁公安部公安第五課  未詳事件特別対策係事件簿〜』では、竜雷太扮する係長【野々村光太郎】の愛人婦警【正汽雅】を演じ、2011年公開の映画『阪急電車  片道15分の奇跡』では、持ち前(兵庫県出身)の関西弁を活かして、女子高生【門田悦子】を好演していた。

この頃からだろうか。 「あの可愛い子は誰だろう?」と、人々の脳裏にその顔が焼き付いていったのは。

そして、2013年のNHK連続テレビ小説『あまちゃん』で、主演の能年玲奈(現 のん)とともに大ブレイクを果たし、一気にその芽が開花することとなる。

その後の活躍は言わずもがな。 『映画  ビリギャル』(2015年)では、「第39回日本アカデミー賞」で優秀主演女優賞と新人俳優賞を、さらに、同作と『ストロボ・エッジ』(2015年)での演技が高く評価され、「第58回ブルーリボン賞」で主演女優賞を受賞するなど、女優としての輝きがより一層増していった。

それは、映画のスクリーンからテレビの画面へと“場所”を移しても変わることはなく、フジテレビ系ドラマ『いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう』(2016年)では、今は死語になりつつある“月9”で初主演を果たすと、その年の大晦日には、前述の通り、NHK紅白歌合戦の紅組司会者を務めるなど、その人気と実力は爆発的に上昇し、以前の可愛らしいアイドル的な存在から、今や日本の顔にまで“発展”してきた有村である。

また、4月からは、NHK連続テレビ小説『ひよっこ』への出演が決定している有村。 本作は、1964年の東京オリンピックの前後を背景に、茨城県北西部の奥茨城村で育ったヒロインが、出稼ぎのために東京へ行ったまま帰ってこなくなった父親を探すべく、集団就職で上京するという物語となるが、この中で有村は、主人公のヒロイン【谷田部みね子】を演じることとなる。

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『あまちゃん』から4年、再びNHKの朝の顔として戻ってくる。しかも今度は主役として。 この4年間で築き上げてきたキャリアを披露する時がやってきた。いよいよ、女優・有村架純の腕の見せ所である。

もう、ひよっこなんて呼ばせない。

なお、『3月のライオン』では、神木隆之介演じる主人公【桐山零】の義姉で、荒々しく性格のキツイ女性【幸田香子】役を務めている有村。 キャスト発表当初は、キャラクターが違いすぎて、有村の配役に疑問の声も上がっていたようだが、果たして、実際のところはいかがなものか。そちらも早くこの目で確かめたい。

映画『3月のライオン  前編』(東宝/アスミック・エース配給)

映画『3月のライオン  前編』(東宝/アスミック・エース配給)は、将棋の世界を舞台にした、羽海野チカによる大ヒットコミックを、神木隆之介の主演で実写映画化した2部作の前編。

監督:大友啓史
脚本:岩下悠子、渡部亮平、大友啓史
出演:神木隆之介、有村架純、倉科カナ、染谷将太、清原果那、佐々木蔵之介、加瀬亮、前田吟、高橋一生、岩松了、斉木しげる、中村倫也、尾上寛之、奥野瑛太、甲本雅裕、新津ちせ、板谷由夏、伊藤英明、豊川悦司 ほか

公式サイト http://3lion-movie.com/

佐々木誠

「日刊 情報プレス」編集者 (有)情報プレス社が発行する「日刊 情報プレス」は、映画業界のニュースやイベント、興行成績、劇場公開情報など、映画に関する様々な情報を掲載。また、Facebookページでは、【情報プレスα】(www.facebook.com/joho.press.jp)として、映画の舞台挨拶やイベントの模様を面白可笑しく掲載中。日々アップしている。