写真家としても活躍するブータンの新鋭パオ・チョニン・ドルジ監督が「ブータンの独自性を記憶に焼き付けたい」とルナナ村の人々の笑顔あふれる暮らしを圧倒的な映像美で映し出した本作。公開初日にオンラインで実施された舞台挨拶では「私は日本という国も文化も人々も常に尊敬しています。同時にブータン人と日本人は似ているところがあると思っています。この映画を作った当初は何も期待せず、ブータンの人々にメッセージが伝わればいいな、と思っていたくらいでした。それが私の期待を大きく越えて、色々な国で公開され、ついに日本で公開されることを大変光栄に思っています!」と日本の観客にむけメッセージを送っていたパオ監督。
そんなパオ監督が「ブータン人の生活、人生、そのすべてが詰まっている」と語り、本作の重要なシーンで流れる伝統歌“ヤクに捧げる歌”を歌うセデュに主人公ウゲンが初めて出会い、彼女に歌を教えてほしいと頼む本編映像シーンが解禁!
慣れない手つきでストーブの燃料になるヤクの糞を集めていたウゲンは、山々に響き渡る美しい声で“ヤクに捧げる歌”を歌うセデュに出会う。「昨日も歌っていたよね。いつもここで歌を?どうして?」と尋ねるウゲンに、セデュは「歌を捧げてるの」という。思いもよらなかった答えに「歌を捧げるってどういうこと?」と聞き返すと、セデュは「歌を万物に捧げているのよ。人 動物 神々 この谷の精霊たちにね」と答え、「オグロツルは鳴くとき、誰がどう思うかなんて考えない。ただ鳴く。私も同じ」と静かに語る。それを聞いたウゲンは思わず「僕に教えてくれないかな」とセデュに頼みこむ。辺鄙なルナナ村から早く都会へ戻りたいと考えていた彼の中に変化が少し現れる場面だ。
この“ヤクに捧げる歌”はブータンで広く知られている伝統歌で、パオ監督いわく「この歌は、高地で暮らすヤク飼いの歌です。人生について多くのことを教えてくれると同時に、私たちが暮らす自然と大地への感謝も歌われています。さらに、仏教がいかなるものなのかも伝えています。輪廻転生などについても触れられているんです」と説明、「私がこの歌を選んだのは、私たちが学ぶべき素晴らしい教訓は思いがけない場所から届く、ということを思い出してほしい、と考えたからです。ヤク飼いが歌う山の歌に、人生の教訓があるとはなかなか思わないでしょうからね」と語っている。
セデュ役を演じたケルドン・ハモ・グルンは、ブータンの首都ティンプーにあるレコードレーベルM-Studioに所属しており、本作が俳優デビュー作。
ブータンの美しい風景とともに、素晴らしい歌声に心惹かれること間違いなし!
ぜひ劇場でお聞き逃しなく。
現在、本作公式サイトにて、ブータン料理のレシピ紹介中!
ケワダッツイ(ジャガイモ・チーズ)と、ギュン・チャンパ(きゅうりと花山椒)の作り方を写真付きで掲載。代々木上原にあるブータン料理のお店「ガテモタブン」店長の村上光さん監修で夜ご飯にぴったり!ブータン料理の特徴を紹介する動画インタビューもUP。ぜひチェックしてみてください! https://bhutanclassroom.com/cooking.html
岩波ホール他にて全国順次公開中!
【作品情報】
監督・脚本:パオ・チョニン・ドルジ
出演:シェラップ・ドルジ、ウゲン・ノルブ・へンドゥップ、ケルドン・ハモ・グルン、ペム・ザム 他
【2019年/ブータン/ゾンカ語、英語/110分/シネスコ 英題:Lunana A Yak in the Classroom 日本語字幕:横井和子 字幕監修:西田文信】
後援:在東京ブータン王国名誉総領事館
協力:日本ブータン友好協会
配給:ドマ
(c)2019 ALL RIGHTS RESERVED
公式サイト:bhutanclassroom.com
岩波ホール他にて全国順次公開中!