都会から赴任した若き教師と
村の人たちや子どもたちの心の交流を描く
標高4,800メートルの地にあるブータン北部の村ルナナ。
ブータン民謡が響きわたるこの村で暮らすのは、大自然とともにある日常に幸せを見つけ生きる大人たち。
そして親の仕事の手伝いをしながらも、“学ぶこと”に純粋な好奇心を向ける子どもたちだ。
写真家としても活躍するブータンの新鋭パオ・チョニン・ドルジ監督は長編デビュー作となる本作で「ブータンの独自性を記憶に焼き付けたい」と人々の笑顔あふれる暮らしを圧倒的な映像美で映し出した。
「初めての授業なので自己紹介します」と話し始めたウゲンは、名前を書こうと学級委員であるペム・ザムに「黒板は?」と聞くが「コクバン?」と黒板を知らない様子。
諦めて子どもたちに自己紹介を促し、「歌手になりたいです」と答えたペム・ザムに「歌を聴かせてくれる?」と言うと「♪あなたを見ると胸がドキドキ。いなくなると心がザワザワ。そこの彼、こっちにおいでよ。私とつきあっちゃえば?」と大人びた歌詞の歌をニコニコしながら歌うペム・ザム。そしてウゲンが次の指名したサンゲは「将来は先生になりたいです」という。
「先生?どうして?」とウゲンが聞くと「先生は未来に触れることができるからです」とまっすぐに自分を見つめて答える。
そんなサンゲをみて複雑な表情を一瞬うかべるウゲン。
実は教師を辞めて、オーストラリアに行き歌手になることを密かに夢見ていた彼と、その先生を夢見る子や嬉々として授業を受ける子どもたちとの出会いが、このあとウゲンの心をどう変えていくのか印象に残る場面だ。
本作は実際にルナナ村にある学校で撮影し、生徒役の子どもたちはみな村に住む子どもたちが演じている。
特に劇中、学級委員として登場するペム・ザムは、監督が「ペム・ザムが出ているシーンすべてが一番印象的だった」と振り返り「彼女はどれほどの美しさ、無邪気さをこの映画にもたらしてくれたか」と絶賛。
今回解禁する本編映像の最後にはペム・ザムとパオ・チョニン・ドルジ監督が初めて会った日に、実際にペム・ザムが監督に聞かせてくれたという歌を歌うメイキング映像もあわせて公開している。
各界著名人から絶賛の声が到着!
本作を公開に先駆けて鑑賞した加藤登紀子さん、紺野美沙子さん、鶴田真由さん、八神純子さん、ピーター・バラカンさん、作家の渡辺一枝さん、樺太アイヌ伝統弦楽器トンコリ奏者のOKIさん、太宰府市立太宰府小学校校長の浦田貴子さんから絶賛の声が到着!
歌手の加藤登紀子さんは「村の暮らしが美しい!首都ティンプーから山のルナナへの旅も、最高!ブータンが好きでコンサートをした私、すっかりルナナのファンになってしまいました」と絶賛。紺野美沙子さんも「現代ブータンの発展にまずはびっくり。その対極にあるルナナの人々の純粋さと強さに心打たれ、何気ない場面に幾度も涙があふれました」と感動の言葉を寄せる。また『チベットを馬で行く』などの著作で知られる作家の渡辺一枝さんは「ヒマラヤの清涼な空気の中に、歌声が流れる。村人の暮らしにとって宝物のような動物、ヤクを称える歌だ。子どもたちの好奇心に満ちた輝く瞳と、山の神々や大自然に捧げられるこの歌声が、気付かせてくれる。大切なことは遠くにあるのでは無いことに、近代的で便利な日々にあるのでは無いことに。」とコメント。
グローバル化が進み、世界の景色が単一化するいま、秘境の地で伝統を守りながら生きるルナナの人々が私たちに教えてくれること、その答えをぜひスクリーンで。
各界の著名人より絶賛の声続々!(敬称略・順不同)
渡辺一枝(作家)
ヒマラヤの清涼な空気の中に、歌声が流れる。村人の暮らしにとって宝物のような動物、ヤクを称える歌だ。子どもたちの好奇心に満ちた輝く瞳と、山の神々や大自然に捧げられるこの歌声が、気付かせてくれる。大切なことは遠くにあるのでは無いことに、近代的で便利な日々にあるのでは無いことに。
加藤登紀子(歌手)
村の暮らしが美しい!首都ティンプーから山のルナナへの旅も、最高!
ブータンが好きでコンサートをした私、すっかりルナナのファンになってしまいました。
紺野美沙子(俳優・朗読座主宰)
現代ブータンの発展にまずはびっくり。その対極にあるルナナの人々の純粋さと強さに心打たれ、何気ない場面に幾度も涙があふれました。人を大切に思うこと、思われることが一番の幸せだと心から思える作品です。子どもたちと今風の先生の成長をずっと見つめていたい。
八神純子(歌手)
人が真の生きがいを見つけるためには、人のためになること、そしてその背景にはいつも音楽があること。『ブータン 山の教室』は、忘れてはならない大切なことを、あらためて感じさせてくれるパワフルな作品です。
ピーター・バラカン(ブロードキャスター)
秘境というとロマンティックな響きですが、電気も水道もない標高4,800メートルの集落で暮らすとなると厳しいものがあるはず。でも、自然環境の美しさに息を飲むものがあります。劇映画ではあるものの、多くの登場人物はありのまま、中でも9歳の女の子ペム・ザムには完璧に心を奪われてしまいます。
鶴田真由(女優)
この映画を見ながら、かつてパキスタンの山間の村を訪れた時のことを思い出した。もう二度と会えないと思って別れた少年と20年ぶりにFacebookで繋がってテレビ電話でその家族と話をした。時は流れている。
でも、大切なことは変わらない。そういうことを気づかせてくれる旅だった。
この映画を見ながら、ずっとその時のことを思い出していた。
OKI(樺太アイヌ伝統弦楽器トンコリ奏者)
歌とはどこで、誰のために、何をテーマに歌うのか?を教えてくれる映画です。「ルナナ ヤクのいる教室」という原題も素敵です。 主題曲はもちろん、国を代表する音楽家ジグメ ドゥㇰパさんの歌と弦楽器ダムニェンの演奏も素晴らしい。 鑑賞後ブータンとの距離が縮まり、訪れてみたい国がまた一つ増えました。
浦田貴子(太宰府市立太宰府小学校 校長)
「教師は未来に触れることができる人」という言葉が教職に身を置く私の心を揺さぶりました。情報と物質に満ち溢れる現在の日本だからこそ,学校でしか教えられない「未来」を子供達に与えていきたいと心に誓いました。
4月3日(土)より 岩波ホール他にて全国順次公開!
【作品情報】
監督・脚本:パオ・チョニン・ドルジ
出演:シェラップ・ドルジ、ウゲン・ノルブ・へンドゥップ、ケルドン・ハモ・グルン、ペム・ザム 他
【2019年/ブータン/ゾンカ語、英語/110分/シネスコ 英題:Lunana A Yak in the Classroom 日本語字幕:横井和子 字幕監修:西田文信】
後援:在東京ブータン王国名誉総領事館
協力:日本ブータン友好協会
配給:ドマ
(c)2019 ALL RIGHTS RESERVED
公式サイト:bhutanclassroom.com
4月3日(土)より 岩波ホール他にて全国順次公開!