日本が世界に誇る映画監督・北野武の最新作にして構想に30年を費やした戦国スペクタクル映画『首』が、開催中のカンヌ国際映画祭で初披露され、監督はじめキャストが登壇した。
北野武監督が初期の代表作の1本『ソナチネ』と同時期に構想し、30年もの長きに渡って温めていた本作は、巨匠・黒澤明が生前「北野くんがこれを撮れば『七人の侍』と並ぶ傑作が生まれるはず」と期待していたという念願の企画の映画化。“本能寺の変”が、戦国武将や忍、芸人や百姓といった多彩な人物の野望や裏切り、運命とともに描かれ、キレ味抜群のバイオレンスと笑いをはじめとした北野ワールドが展開される。
そして世界中のファンが公開を待ち望む中、世界3大映画祭の1つである、第76回カンヌ国際映画祭「カンヌ・プレミア」へ正式出品された本作から、北野武監督、西島秀俊、加瀬亮、中村獅童、浅野忠信、大森南朋が、現地時間、5月23日に行われたフォトコール、レッドカーペットアライバル、作品の公式上映へ登壇した。
公式イベントの前日、22日には北野監督を筆頭に6人揃ってメディアの前へ。北野監督は「映画人にとって、カンヌ映画祭は、ステータス。ここに来られただけでも光栄」と喜びを見せた。西島は「20年前に『Dolls』で、北野監督にベネチア国際映画祭に連れて行って頂いて、今回は初めてのカンヌ映画祭に連れて来て頂いた。映画の祭典として大きなイベントだと改めて感じましたし、大きな経験として学んで帰りたい」と、初めてのカンヌへの期待を語った。
加瀬は「最初に来た時の印象と今回は随分違って、より盛り上がりを感じている。北野監督の新作で、皆で来られて嬉しい」と歓喜。中村は「僕は初めてのカンヌで、昨日着いてすぐに大森さんとこの辺を散歩して、夜中までえらい盛り上がりだった」と現地の雰囲気を伝え「これから上映会もあり非常に楽しみ。連れて来て頂いて光栄です」と初のカンヌの雰囲気を噛みしめ、浅野は「今回監督の作品で来れた事が嬉しいですし、また強烈な作品でご一緒出来て嬉しい」と前回は、大島渚監督の『御法度』で、役者として参加した北野と訪れたカンヌを想起し「同世代の俳優で来られて本当に嬉しい」とコメント。大森も「僕も北野監督の作品で初めて来られて嬉しくて、楽しみでした」とコメントするなど、キャスト陣も感無量の様子で喜びを語った。