Dec 06, 2021 news

ジョージア映画の発展を担ってきた91歳の伝説的な女性監督が描き出す物語 映画『金の糸』予告映像が公開

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『インタビュアー』(サンレモ国際映画祭グランプリ)、『転回』(東京国際映画祭最優秀監督賞)などが高く評価され、テンギズ・アブラゼ監督、オタール・イオセリアーニ監督、ギオルギ・シェンゲラヤ監督たちとともにソヴィエト時代からジョージア映画の発展を担ってきた伝説的な女性監督ラナ・ゴゴベリゼ。27年ぶり、91歳にしての新作となる映画『金の糸』。

ジョージアの古都・トビリシの旧市街の片隅。79歳を迎えた作家エレネの元へ、娘の姑で、ソヴィエト時代に政府の高官だったミランダが引っ越してくる。そこへ突然、60年前の恋人アルチルから電話がかかってきて‥‥。ジョージアの激動の時代を生きた3人の過去が明らかになっていくというストーリー。自身の母もスターリンの大粛清で流刑された経験を持つゴゴベリゼ監督が、自分の経験を投影しながら過去との和解をテーマに描いた。

公開された予告映像は、主人公の女性作家エレネがキーボードを叩くシーンから始まり、風に揺れる花瓶の花、エレネの母親が監獄で作ったという人形、中庭のあるトビリシの伝統的集合住宅などが映し出される。

タイトルの『金の糸』には、日本の「金継ぎ」から着想を得て、“未来を見るために過去を金で修復する”という意味がこめられており、“金継ぎ”を元にしたアートに重ねられた「過去に囚われても過去を壊してもいけない 金で継ぎ合わせるの」という言葉からは本作のテーマが浮かび上がる。繰り返し流れる美しい音楽は、2019年に惜しまれつつ亡くなった国際的なジョージア人作曲家ギヤ・カンチェリによるもの。主役のエレネは、『ロビンソナーダ』で知られるジョージア映画界の重鎮ナナ・ジョルジャゼ監督が演じている。あわせて場面写真も公開された。

映画『金の糸』は、2022年2月26日(土)より岩波ホールほか全国公開。

作品情報
映画『金の糸』

トビリシの旧市街の片隅。作家のエレネは生まれた時からの古い家で娘夫婦と暮らしている。今日は彼女の79 歳の誕生日だが、家族の誰もが忘れていた。娘は、姑のミランダにアルツハイマーの症状が出始めたので、この家に引っ越しさせるという。ミランダはソヴィエト時代、政府の高官だった。そこへ突然、60年前の恋人アルチルから電話がかかってきて‥‥。

監督・脚本:ラナ・ゴゴベリゼ

音楽:ギヤ・カンチェリ

出演:ナナ・ジョルジャゼ、グランダ・ガブニア、ズラ・キプシゼ

配給:ムヴィオラ

© 3003 film production, 2019

2022年2月26日(土) 岩波ホールほか全国公開

公式サイト moviola.jp/kinnoito/