ヒトラー率いるナチス支配下のドイツ“第三帝国”が犯した、人類史上最悪の戦争犯罪“ユダヤ人大量虐殺【ホロコースト】”を実際に目撃した人々。武装親衛隊のエリート士官から、強制収容所の警備兵、ドイツ国防軍兵士、軍事施設職員、近隣に住む民間人まで、終戦から77年を迎える今、「現代史の証言者世代」と呼ばれる高齢になったドイツ人やオーストリア人など加害者側の証言と当時の貴重なアーカイブ映像を記録したドキュメンタリー映画『ファイナル アカウント 第三帝国最後の証言』。
この度、自身も戦争体験者であり作品のトークイベントにも登壇したジャーナリストの田原総一朗氏のコメント映像が公開された。
コメント映像で田原は「僕もね、日本が太平洋戦争に敗れたのは小学校五年生の夏休みですからね。太平洋戦争は正しい戦争だと思い込んでいた。ところが、8月に先生やマスコミの言うことが180度変わった。どうも偉い人の言うことは信用できないなと、マスコミも信用できないなと」と語り、ジャーナリストを目指すきっかけになったという。
さらに「この映画も含めて、戦争を知っている世代の表現を若い人たちに聞いて学んで、そして頑張ってほしい。というのは表現している人たちも、僕も含めてもう数年で死ぬ訳ね。これからの10年20年を支えるのは若い世代ですから、本当に頑張ってほしい」と映画をアピールしつつ、若い世代へのエールを送り、コメントを締めくくった。
また映画評論家やドイツ研究者などは、「戦下の2022年に放たれた爆弾のような力作」、「究極の作品だ」、「見逃してはいけない!」、「翻訳をする手が震えた」と本作を絶賛している。
ドキュメンタリー映画『ファイナル アカウント 第三帝国最後の証言』は、8月5日(金)よりTOHOシネマズ シャンテ、渋谷シネクイントほか全国公開。
イギリスのドキュメンタリー監督ルーク・ホランドは、アドルフ・ヒトラーの第三帝国に参加したドイツ人高齢者たちにインタビューを実施した。ホロコーストを直接目撃した、生存する最後の世代である彼らは、ナチス政権下に幼少期を過ごし、そのイデオロギーを神話とするナチスの精神を植え付けられて育った。戦後長い間沈黙を守ってきた彼らが語ったのは、ナチスへの加担や、受容してしまったことを悔いる言葉だけでなく、「手は下していない」という自己弁護や、「虐殺を知らなかった」という言い逃れ、果てはヒトラーを支持するという赤裸々な本音まで、驚くべき証言の数々だった。監督は証言者たちに問いかける。戦争における“責任”とは、“罪”とは何なのかを。
監督・撮影:ルーク・ホランド
配給:パルコ ユニバーサル映画
©2021 Focus Features LLC.
2022年8月5日(金) TOHOシネマズ シャンテ、渋谷シネクイントほかにて全国公開