Jun 30, 2022 news

“ホロコースト”を目撃した加害者側の驚くべき証言の数々 ドキュメンタリー映画『ファイナル アカウント 第三帝国最後の証言』30秒予告映像が公開

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ヒトラー率いるナチス支配下のドイツ“第三帝国”が犯した、人類史上最悪の戦争犯罪“ユダヤ人大量虐殺【ホロコースト】”を実際に目撃した人々。武装親衛隊のエリート士官から、強制収容所の警備兵、ドイツ国防軍兵士、軍事施設職員、近隣に住む民間人まで、終戦から77年を迎える今、「現代史の証言者世代」と呼ばれる高齢になったドイツ人やオーストリア人など加害者側の証言と当時の貴重なアーカイブ映像を記録したドキュメンタリー映画『ファイナル アカウント 第三帝国最後の証言』が日本公開される。

この度、30秒予告映像が公開された。

イギリス出身のドキュメンタリー監督ルーク・ホランドは、10代になって初めて、母がウィーンからのユダヤ人難民で、祖父母はホロコーストで殺害されたというルーツを知った。2000年代になり “祖父母を殺した人間を捜す”という目的でこのプロジェクトに着手したという。「すぐに無理だとわかりました。しかし、彼らの仲間には実際に会うことができる。ヒトラーのために腕や銃を振り上げた人たち、残虐な犯罪を犯した人たちを通して、ホロコーストが繰り広げられた背景をよりよく理解できるかもしれないと考えたのです」。

ホランドは2008年から10年の歳月をかけて250以上のインタビューを行い、本作完成直後の2020年6月、71歳で癌で亡くなった。ロシアによるウクライナに対する軍事侵攻、まさに“今”起きていることを語っているかのような、時代を超えたメッセージが本作には込められている。

予告映像では、ナチス占領時代の貴重な映像が映し出され、「これは前代未聞のドキュメンタリー映画だ。ナチス・ドイツの子供たちによる最後になるであろう証言」というナレーションに続き、“第三帝国”に関わった加害者の現在のインタビュー映像が映し出される。「目をくらまされるな!」と若者たちに必死に訴えかける元武装親衛隊員の言葉や、顔を両手で覆う女性の姿が切り取られている。

また、ザ・タイムズ紙が「タイムリーかつ不吉な予兆」「日常に潜む悪」、ガーディアン紙が「過去が現在に語りかける」と、不穏な空気が漂う現代に繋がる、今こそ観られるべき作品であると、本作を絶賛する海外メディアの評価が並んでいる。

貴重な証言が詰まった映画『ファイナル アカウント 第三帝国最後の証言』は、8月5日(金)よりTOHOシネマズ シャンテ、渋谷シネクイントほかにて全国公開。

作品情報
映画『ファイナル アカウント 第三帝国最後の証言』

イギリスのドキュメンタリー監督ルーク・ホランドは、アドルフ・ヒトラーの第三帝国に参加したドイツ人高齢者たちにインタビューを実施した。ホロコーストを直接目撃した、生存する最後の世代である彼らは、ナチス政権下に幼少期を過ごし、そのイデオロギーを神話とするナチスの精神を植え付けられて育った。戦後長い間沈黙を守ってきた彼らが語ったのは、ナチスへの加担や、受容してしまったことを悔いる言葉だけでなく、「手は下していない」という自己弁護や、「虐殺を知らなかった」という言い逃れ、果てはヒトラーを支持するという赤裸々な本音まで、驚くべき証言の数々だった。監督は証言者たちに問いかける。戦争における“責任”とは、“罪”とは何なのかを。

監督・撮影:ルーク・ホランド

配給:パルコ ユニバーサル映画

©2021 Focus Features LLC.

2022年8月5日(金) TOHOシネマズ シャンテ、渋谷シネクイントほかにて全国公開

公式サイト universalpictures.jp/micro/finalaccount