Oct 14, 2022 news

18名の気鋭の映画作家が選んだ“映画の魅力”を伝えるドキュメンタリーとは? 巡回上映「現代アートハウス入門 ドキュメンタリーの誘惑」開催

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【上映作品一覧】

『ルイジアナ物語』(監督:ロバート・フラハティ)

ルイジアナの広大な湿地帯で両親と暮らす少年アレクサンダー。自然と野生動物に囲まれた生活は、父親が油田掘削の許可書にサインしたことで大きく変わっていく‥‥。『極北のナヌーク』『モアナ』などで知られるロバート・フラハティ監督による物語映画として世界映画史にその名を刻む本作だが、もとは石油会社の PR映画だった。野生のワニやアライグマなど“ドキュメンタリーバリュー”もたっぷり。

『1000年刻みの日時計 牧野村物語』(監督:小川紳介)

三里塚から山形・牧野へ移住し、田畑を耕しながら映画制作を続 けた小川プロの13年の集大成。稲の生殖の営みや水田のなかの考 古物の発掘など科学的アプローチに加え、村に何世代にもわたっ て語り継がれる口承の物語を、土方巽、宮下順子、田村高廣ら職 業俳優とともに、牧野村の人びとが“ドラマ”として演じてみせる。1000年という歴史と牧野の風土が編みこまれた、映画史上類を見 ない傑作。

『セザンヌ』(監督:ジャン=マリー・ストローブ、ダニエル・ユイレ)

詩人ジョアシャン・ガスケによる評伝「セザンヌ」に記された空想的な対話の朗読に重ねて、セザンヌゆかりの土地やセザンヌの絵画が映し出される。実物の絵画を直接撮影している点では記録映画であり、ガスケによって虚構化されたセザンヌという人物の言葉を劇的に再虚構化している点では劇映画にも近い。ポール・セザンヌの過激な絵画観に、過激な映画作家ストローブ=ユイレが肉迫する。

『ルイジアナ物語』
『1000年刻みの日時計 牧野村物語』  /  『セザンヌ』 ©Straub-Huillet / BELVA Film

『書かれた顔』(監督:ダニエル・シュミット)

歌舞伎界で当代一の人気を誇る女形、坂東玉三郎。「鷺娘」「積恋雪関扉」といった舞台や、芸者に扮した彼を2人の男が奪い合う劇「黄昏芸者情話」が挿入され、玉三郎の秘密へと観る者を誘う。俳優の杉村春子や日本舞踊の武原はんの談話、現代舞踏家の大野一雄の舞いなども。現実と虚構さえもすり抜けていくシュミットのスイス・日本合作となった本作では、青山真治が助監督を務めた。4Kレストア版日本初上映。

『SELF AND OTHERS』(監督:佐藤真)

1983年に36歳で夭逝した写真家、牛腸茂雄。郷里の新潟、ときに死の不安に苛まれながら写真家生活を営んだ東京のアパートなどゆかりの地を巡り、彼が遺した痕跡を辿る。被写体の眼差しを焼き付けたようなポートレート、姉に宛てた手紙、そして、見つけ出されたカセットテープ。しだいに彼の不在そのものがかたどられていく。撮影に田村正毅、録音に菊池信之が参加。手紙の朗読を西島秀俊が務めた。

『物語る私たち』(監督:サラ・ポーリー)

太陽みたいに明るく無邪気だった母ダイアン。彼女が亡くなったとき、末っ子のサラはまだ11歳だった。「サラだけがパパに似てない」、ポーリー家おきまりのジョークにサラは少し不安になる。母の人生の真実を探り出そうとカメラを向けると、みんなの口からあふれ出したのは彼女の知られざる恋について‥‥。俳優で映画監督のサラ・ポーリーが、自身の出生の秘密をウィットとユーモアをこめて描く。

『書かれた顔』  /  『SELF AND OTHERS』 ©牛腸茂雄
『物語る私たち』© 2012 National Film Board of Canada
イベント情報
巡回上映「現代アートハウス入門 ドキュメンタリーの誘惑」

1970年代から今日まで続く日本の〈アートハウス〉は、ミニシアターという呼称で親しまれてきた。そこは世界中の映画と刺激をもとめる観客とが出会う場所であり、多様な映画体験によって、未来の映画作家だけでなく、さまざまなアーティストを育む文化的ビオトープとしての役割を担ってきた。〈アートハウス〉の暗闇でスクリーンが反射する光を浴びることは、多かれ少なかれ―私たちの生き方を変えてしまう体験なのです。第3弾となる巡回上映「現代アートハウス入門ドキュメンタリーの誘惑」は“ドキュメンタリーと呼ばれる方法で作られた映画”にフォーカス。

【開催劇場情報】
[東京]ユーロスペース 2022年10月22日(土)~ / [愛知]名古屋シネマテーク 11月12日(土)~ / [大阪]シネ・ヌーヴォ 11月3日(木)~ / [京都]京都シネマ 11月11日(金)~ / [鳥取]ジグシアター 12月3日(土)~

企画・運営:東風
企画協力:ユーロスペース

©2022AHG

公式サイト arthouse-guide.jp