『告白』『悪人』『怪物』など人間の本質に迫る作品から『おおかみこどもの雨と雪』『君の名は。』『すずめの戸締まり』など繊細で色彩豊かなアニメーション作品など数々の映画を企画・プロデュースしてきた川村元気。そんな彼の著作を映画化する、映画『四月になれば彼女は』に、佐藤健、長澤まさみ、森七菜という豪華キャストが出演することが発表された。
川村は、2011年に藤本賞を受賞。2012年に刊行した初小説「世界から猫が消えたなら」は、世界28ヶ国で出版され、累計200万部を超えるベストセラーとなった。さらに自らの小説を原作とし、脚本・監督を務めた『百花』では第70回サン・セバスティアン国際映画祭にて日本人初となる最優秀監督賞を受賞するなど数々の話題作を生み出してきた。
川村の著書3作目となる恋愛小説「四月になれば彼女は」を映画化する本作で監督を務めるのは、米津玄師「Lemon」、あいみょん「マリーゴールド」、藤井風「青春病」など、多くのミュージックビデオを演出し、本作で長編映画に初めて挑戦する、山田智和。
撮影監督は『新聞記者』『余命10年』などを手掛けた今村圭佑、音楽は『スワロウテイル』『ラストレター』など岩井俊二監督作品の映画音楽でも傑作を生み出してきた小林武史。
主人公の藤代俊を演じるのは、佐藤健。藤代の婚約者、坂本弥生役には長澤まさみ。藤代が10年前に交際していた初恋の女性、伊予田春役を演じるのは森七菜。
【コメント】
▼佐藤健
7年前にこの原作を読んだとき、恋とは何か、愛とはどのようなものなのか、恋人との時間の中で、何を手に入れて何を失ったのか、もがき方さえわからぬまま恋愛というものの正体を探し求める藤代に共感しました。今回この撮影を通して、自分も藤代と一緒に少しでもその正体に近づけたらと思いました。長澤さんは、誰よりも真摯に、手を抜かずに、愛情を持って作品に向き合う方でした。自分よりも他人を優先してしまうような優しさと脆さを持った、それでいて誰よりも一生懸命に丁寧に生きていく弥生と重なりました。
森さんとはクランクイン初日からほとんどがアドリブのシーンでしたが、初めて本気で人を好きになり結ばれることの喜びを知り、恋に浮かれ苦しむ藤代を共に作り上げてくれました。彼女の笑顔を見ていると自然と自分は藤代になれました。
長編初監督の山田監督は、役者と共に悩みながらも芝居について真摯に追及してくださる方で、とても充実した撮影期間を過ごすことができました。
恋愛の正体とは。愛を終わらせない方法とは。皆様にとっての答えを確かめに、劇場に足を運んで頂けたら幸いです。
▼長澤まさみ
弥生は突然深く愛した藤代を残して、いなくなってしまいます。そこにはきっと不安とか歪みもありつつ、新しい道に踏み込むために思い切った気持ちがあったのかなと思います。佐藤さんは初共演でしたが、冷静に役や物語を捉えて演じる方なので安心して撮影できましたし、信頼のおける俳優さんだと思いました。日々、彼に対して信頼感が生まれていき、楽しかったです。
山田監督は何にも動じない素質を持った監督で拘る部分をしっかりと持っていて、監督のセンスや感覚がすごく信頼できました。現場で少しずつ物語を育てていくという感覚がありました。
この作品は恋愛に悩んだり苦しんだり立ち止まったりする人たちに向けて届けたい映画です。人を愛するということを見つめなおしたくなるような作品になると思います。公開はまだまだ先ですが、楽しみにして頂けたら嬉しいです。
▼森七菜
今回、この原作を尊敬する先輩方と演じることができてとても光栄に思っています。春としてこの作品でどんな存在になれるか。佐藤さんや長澤さんに引っ張っていただきながら、撮影期間中毎日考え続けました。そして、人生初の海外仕事でチェコ、アイスランド、ウユニを旅して、そのどの国もが信じられないくらい美しい表情を見せてくれました。世界を味方につけながら春を演じているように感じて、必死になって頭の中に焼き付けながら毎日を過ごしました。
どうやったって過去は変わらないけど、あの時のあの人、今の私のかけら、目の前の貴方に新しく出逢うことができる。そんな体験を皆さんにお届けできる日を心待ちにしています。
映画『四月になれば彼女は』は、2024年3月22日(金)より全国公開。
四月。精神科医の藤代俊のもとに、かつての恋人・伊予田春から手紙が届く。“天空の鏡”と呼ばれるウユニ塩湖からの手紙には、10年前の初恋の記憶が書かれていた。ウユニ、プラハ、アイスランド。その後も世界各地から届く、春の手紙。時を同じくして藤代は、婚約者の坂本弥生と結婚の準備を進めていた。けれども弥生は突然、姿を消した。「愛を終わらせない方法、それは何でしょう」その謎掛けだけを残して。春はなぜ手紙を書いてきたのか?弥生はどこへ消えたのか?ふたつの謎はやがて繋がっていく。「あれほど永遠だと思っていた愛や恋も、なぜ、やがては消えていってしまうのだろう」現在と過去、日本と海外が交錯しながら、愛する人の真実の姿を探し求める“四月”が始まる。
監督:山田智和
原作:川村元気「四月なれば彼女は」(文春文庫)
出演:佐藤健、長澤まさみ、森七菜
配給:東宝
©2024「四月になれば彼女は」製作委員会
2024年3月22日(金) 全国東宝系にて公開
公式サイト 4gatsu-movie.toho.co.jp