”狂わせガール”に限って
「こういう女子いますよね!」
小柳 大根さんはいかがですか。この原作は、出版業界のバックステージを描く“職業漫画”としても読めるじゃないですか。最近だったらドラマ化もされた『重版出来!』のように。でも、やっぱりこの設定は必要だったと思われますか。
大根 出版業界という設定は、必要だったと思います。あとは、もともと俺が一般のサラリーマンとかを撮るのが苦手で、ほぼ全員同じ格好している人たちなものがダメなんですよね。その設定も含めて魅かれた部分があるというか、まあ、得意ジャンルだと思っています。画面的に助かったのは、編集とプレスという設定があるので、ポップにならざるを得ないこと。
小柳 主人公には、自分が経験のあるところでの心象を語らせるのが一番リアルな訳だから、実際自分がやって来た職業にしたという部分もありますか。
渋谷 そうですね、あまり取材しなくても、一番書きやすいし。
雑誌『ポパイ』での連載が
映画の取材につながった
小柳 僕が知らないところで、例えば実際にチョックンがプレスの人と何かあった……みたいなことはあったわけ?(笑)
渋谷 仲良いプレスの人は何人がいますね。付き合ったことはないですけど。仲が良いとこっちが思ってるだけかもしれないですけど……(笑)。
小柳 モデルになるような人はいたの?
渋谷 そういう人はいないです。ただこういう取材で話している間に思い出したのは、スタイリストさんではいたな、と思い出しました。
大根 “狂わせスタイリスト”!(笑)。
渋谷 その子は確かにすごかったです。めっちゃいい子なんですよ。これはモテるわって感じ。キレイだし、気が利くし、狙ってる男いっぱいいて(笑)。でもなんかすごく風通し良さそうなヒトでしたね。
小柳 今度会った時に(誰なのか)教えて(笑)。
大根 俺は雑誌『ポパイ』で『東京タイアップデート』という連載を3年くらいやっていて、ずっとプレス女子とデートしているんですが、2年目に入ったくらいから、「俺はなんでこんなことやっているんだ」って思い始めた頃に、この映画の企画が立ち上がったんです。「そうか、俺、この映画の勉強をずっとしていたんだ!」て思いました。プレス女子は、“狂わせガール”、多いですよ。
渋谷 それでそういう子ほど「(漫画を読んで)こういう子、いっぱいいますよね~!」って言ったりするっていう(笑)。