Sep 18, 2021 interview

ドラマ『死神さん』の田中圭は14年前のオーディションの続き !? 堤幸彦監督が語る前田敦子ら俳優たちに寄せる信頼と配信ドラマの可能性

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配信ドラマの可能性

――『死神さん』はHuluから全6話で配信されますが、地上波では1クール全10~11回という作りが多い中で、6話という回数は作り方に変化がありますか?

 やっぱり何らかの結末を6話で出していくためには、急に「あれ、もう終わり?」っていう感じにならないように、少しずつ前振りが必要だと思いましたし、それは演技の中にも表れてくる部分もあるしあえて見せない部分もある。6本並べてみると、キャストの皆さんや私以外の監督の頑張りもあって、通常の連ドラ6話分をはるかに上回る相当面白い作品群になっているんじゃないかと思います。

ドラマ『死神さん』の田中圭は14年前のオーディションの続き !? 堤幸彦監督が語る前田敦子ら俳優たちに寄せる信頼と配信ドラマの可能性

――今回、堤監督は壱・弐話と最終話を担当されていますが、他のエピソードの監督に撮り方を指示されることはあるんですか?

 一切ございません。必要なら見に来てくださいと言うぐらいで、僕のタッチみたいなものは、みんな分かっていますし、逆にそのタッチを出さないというやり方もある。昔、僕が日テレで大きな連ドラを初めて手がけさせてもらったときは、5話からやったんですが、本当に生意気だったので、4話までの現場には1回も行ってない(笑)。いきなり5話の現場で「すいませーん、今日から入ります」って好き勝手にやったら、チーフ監督にものすごく怒られたことがあるんです。リズムもタッチも全然違うと。でも、僕はそれでいいんじゃないかなって思うので。もちろん、連続性が必要な作品もあるから、そういう作品では御法度だけれど、『死神さん』みたいな各話ごとに完結している場合は、指名された監督は自分の持てる技を出し切ればいいわけであって、他人に遠慮する必要はないので。僕は各話とも面白く見させてもらいましたね。

――お話を聞いていると、配信ドラマというフォーマットは堤監督にフィットするメディアなのでは?

 大変ですけどね。スマホ、大きいモニター、小さいモニター、あるいはパソコン画面、下手すれば劇場クラスの再生環境でも見られるわけですから、そういったもの全てにちゃんと対応できる作品作りというのはなかなか難しいです。テレビドラマならテレビという形で限定して作っているわけですし、映画ならスクリーンサイズを意識して作るわけですが。配信は、どんな環境で見るかを、こちらが限定できない物作りなので。それは撮影の時の微妙な人物の配置や、このセリフではこういう映像を撮るんだよというカットワークにも関わってくるし、音の作り方にも関わってくる。かつてテレビドラマから映画に移行していったときは、僕はそんなことをほとんど考えなかったし、気にしなかった。ドラマも映画も同じだよと。だからドラマシリーズを映画にできるんだよって、ずっと思っていました。それはある種、傲慢な考え方だったわけですけど、配信は配信なりの気の使い方っていうのがあって、それはすごく意識していますね。

――6話で終わってしまうのが惜しくなってしまうので、ぜひ続きを見たいですね。

 皆さんのご支持をいただければいつでもやらせていただきたいと思っていますし、この先も出来るならもっと広げて面白く出来るなと思います。続きがあるなら、圭くんの帽子が風で脱げてしまって、カメラは足元だけを映してるというのをやりたいですね。そこには妙な影だけが映っている(笑)。

ドラマ『死神さん』の田中圭は14年前のオーディションの続き !? 堤幸彦監督が語る前田敦子ら俳優たちに寄せる信頼と配信ドラマの可能性

取材・構成 / 吉田伊知郎
撮影 / 江藤海彦

プロフィール
堤幸彦(つつみ・ゆきひこ)

映画監督 / 演出家

1955年11月3日生まれ。愛知県出身。
1988年にオムニバス映画『バカヤロー! 私、怒ってます』の一編で映画監督デビュー。演出家、映画監督として「金田一少年の事件簿」「ケイゾク」「TRICK」「SPEC~警視庁公安部公安第五課 未詳事件特別対策係事件簿~」シリーズなど大ヒットドラマや映画を多数輩出。主な映画監督作に『20世紀少年』3部作、『悼む人』、近年には『イニシエーション・ラブ』(2015)、『人魚の眠る家』(2018)、『十二人の死にたい子どもたち』(2019)、『ファーストラヴ』(2021)など。ドラマ「SICK’S」3部作の新シリーズ「覇乃抄」が2019年春にParaviで配信予定。

作品情報
ドラマ『死神さん』の田中圭は14年前のオーディションの続き !? 堤幸彦監督が語る前田敦子ら俳優たちに寄せる信頼と配信ドラマの可能性
Huluオリジナル『死神さん』

被疑者の無罪が確定した冤罪事件の再捜査を専門にする警視庁の警部補・儀藤堅忍。彼の仕事は、逃げた真犯人と事件の真相をあぶり出すと同時に、警察組織の失態も暴き出すことにほかならない。ゆえに、彼の相棒となる者は組織から疎まれ、出世の道も閉ざされる。そんな儀藤に付けられたあだ名は…「死神」!この破天荒な一匹狼のダークヒーロー=儀藤が、連絡係として様々な手配を請け負う警察官・南川メイの協力のもと、毎回異なる“気の合わない相棒”を連れ回しながら、さまざまな冤罪事件の真犯人と真相を解明。証言と証拠を一から、執拗なまでに洗い直し、“事件の見え方”と“相棒たちの心”を180度ひっくり返していく。そんな儀藤にやがて、警察を挑発し続ける謎の架空テロ犯・エンジェル伊藤の魔の手が忍び寄り…!?

演出:堤幸彦(第壱話・第弐話・最終話)、藤原知之(第参話・第肆話)、稲留武(第伍話)

原作:大倉崇裕『死神さん』(幻冬舎文庫)

出演:田中圭、前田敦子/ゲスト:小手伸也、蓮佛美沙子、りんたろー。、長谷川京子、竹中直人 ほか

©HJホールディングス

Huluで毎週金曜1エピソードずつ配信中(全6話)各話約50分

公式サイト  hulu.jp/static/shinigamisan