- 古川:
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そして、柴田さんと言えば、『銀河旋風ブライガー』(1981年)のOP冒頭の口上も有名です。どこか歌舞伎的というか、柴田さんの重低音ボイスと相まって、すごくカッコいいんだ……「お呼びとあらば即参上!」ってね。
- 柴田:
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中学生の頃から、ああいう、ずっと見栄を切る演技をずっとやってきたからね。ただ、何せ本編が始まる前に収録したものだから、内容を知らずにやらなくちゃいけなかった。そこはちょっと大変だったよ。
- 平野:
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掛け合いのあるお芝居ではないため、それまでやってきた悪役キャラの演技とはまたちょっと違っていますよね。七五調というか、芥川節(TBSアナウンサー・芥川隆行さんが演歌番組などのナレーションで披露した独特の語り口調)というか……。
- 古川:
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そうそう、芥川さんと言えば、『水戸黄門』のナレーション(1969年~1990年の第1部から第19部を担当)ですが、柴田さんも『水戸黄門』で見事なナレーションを披露していますよね(1996年~1999年の第25部から第27部を担当)。あれを柴田さんがやることになった理由も知りたいな。
- 柴田:
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それまで『水戸黄門』のナレーションは、長らくTBSのアナウンサーが担当するものだったんだけど、前任の杉山真太郎さん(1990年~1996年の第20部から第24部を担当)が引退されるタイミングで、次は、今話題の声優にやらせてみようってことになったんだよね。それで、あらゆる声優プロダクションにオーディションのお達しがあって、当時はちょっとした騒ぎになったもんだよ。
もちろん俺にも声がかかって、さあ、スタジオ借りてサンプルボイスを録りましょうってことになったんだけど、俺はそんな大ごとにしたくなかったし、面倒だし、ここ(事務所)で録っちゃおうって言ったんだ。
- 平野:
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えええ?(笑)
- 柴田:
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マネージャーが「録ってる最中に電話がかかってきたらどうするんだ」とか文句言うんだけど、だったら俺が喋っている間は、みんなが受話器を持ち上げておけばいいだろ!って。
- 古川:
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あの……もしかして『水戸黄門』やりたくなかったんですか?
- 柴田:
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いや、日本広しといえども、今、声優で七五調を読めるのは俺しかいないって自信があったんだよ。そのサンプルも一発録りでね。でも、それでちゃんと選ばれたんだから文句ないだろう? その後、プロデューサーに聞いたら「他の応募者が皆さんは、がんばって七五調を喋ろうとしている中、あなたの七五調だけが、なんだかナチュラルに聞けた」って言ってたよ。
- 平野:
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さすがです。「声は全てを看破する」というのは本当なんですね。