Sep 30, 2017

インタビュー

『銀河旋風ブライガー』から『水戸黄門』まで、歌舞伎で培った“存在感”が多くのファンを魅了

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レジェンド声優インタビュー
柴田秀勝[声優道編]

arranged by レジェンド声優プロジェクト

 

 

アニメ黄金期の立役者である「レジェンド声優」と、自らもレジェンドである声優・古川登志夫さん、平野文さんが濃密トークを繰り広げるレジェンド声優インタビュー。今回は、声優業界のご意見番としても知られる声優・柴田秀勝さん。『タイガーマスク』のミスターXなど、数々のボスを演じてきた柴田さんが、その声優道をふり返ります。

 

七五調をやらせたら俺の右にでる声優はいない!

 

平野文
(以下、平野)

青二プロに移籍して、つまり専業の声優となった直後に『タイガーマスク』(1969年)の名悪役・ミスターXを演じることになったわけですが、その辺りのお話を聞かせていただけますか?

柴田秀勝
(以下、柴田)

当時の俺は、声優をやるぞという気持ちにはなっていたものの、やっぱりまだ実写の仕事にも未練があって、ちょろちょろとそちらの仕事にも色気を出していたんだよ。そうした社長がね、ミスターXは「タイガーめ……」って言ってるだけで良いんだから、とにかくやってみてくれって(笑)。

でもさ、俺は吃音症で「た」行の音が出せないから、その「タイガーめ……」が言えないんだよ。

古川登志夫
(以下、古川)

そういえば!

 

柴田

案の定、やっぱり言えなくてね。さてどうしようと思った時に、フッとすごい解決策を思い付いたんだな。

 

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平野・古川

柴田

「タイガーめ……」だと言えないんだけど、その前に含み笑いを入れれば「フフフ、タイガーめ……」になるだろ? そうするとちゃんと言えるんだよ(笑)。DVDとかを持っている人にはぜひとも確認してみてもらいたいね。基本的に全部「フフフ」から始まっているはずだから。

古川

あの名演技の裏にそんな秘密があったとは(笑)。

柴田

ナイスアイデアだろ? でも不思議なもんで、そうやってミスターXを演じているうちに、いつの間にか吃音症も治っちゃったんだよな。

平野

まさに奇跡ですね。そして、そのミスターX役を、昨年、続編となる『タイガーマスクW』で再び演じることになりました(編集部注:ただし、第1作目のミスターXとは別人という設定)。これはどういう経緯で、柴田さんがやることになったんですか?

 

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柴田

そのちょっと前に、『銀河鉄道999』原作の松本零士先生と、『タイガーマスク』で監督を務めた東映の勝間田具治さんとでトークショーをやったのよ。そうしたら、勝間田監督が、今、タイガーマスク新作の企画に携わっているって教えてくれてね。しかもミスターXが出るっていうんだよ。それはもう俺がやるしかないでしょう? その場で監督に直談判して、『タイガーマスクW』でもミスターXをやらせてもらうことになったんだよ。「その役は人には渡せねぇよ」って。

平野

ですよね。ちなみにミスターXを演じるのは何年ぶりだったんですか?

柴田

47年ぶり。業界的にあり得ない話だって言われたよ。だいたい、全とっかえになっちゃうんだってさ。

平野

でも、柴田さん以外のミスターXは考えられませんよね。結果的には大正解だったと思います。