池田エライザはどう生まれたか
ーー今作では政治家の家に生まれて政治家の妻になる役柄でした。おそらく政治には関わらないにしても、どこか政治に翻弄される役だったと思います。池田さんは、何かに翻弄されるみたいなことはありますか？
私の家の場合は、親がシンガーだったので学校終わりにライブについて行ってて、そこにはバンドメンバーがたくさんいて、私はゲームがやりたいのに楽器隊のみんなが話しかけてくるような環境だったんです。学校では当時、J-POPが流行っていたんですけど、そこでは、洋楽しか聴かせてもらえない環境で、気づいたら耳年増になっていて、それがかっこいいと思っていたんです。
今思うと、普通にJ-POPを聴きたかったし、流行りの話をしたかったですね(笑)。だから私は、自分で自分を翻弄していたような気がします。でも、当時のその環境には、すごく感謝していますけどね。
ーー池田さんは、お芝居のほかにも、歌手をやったり、写真を撮ったり、映画監督もやられていますが、それぞれの取り組み方の違いってありますか？
全部違うかもしれないです。お芝居は特に違う。
歌は、親からもらった遺伝子的なものもあるだろうし、育った環境も親からのギフトだと思うんですけど、お芝居はずっと苦手な習い事って感じがします。得意になるっていう感覚がないですし、わからないしちゃんと怒られたい。なんだろう、わからないことに出会えば出会うほど不可解で楽しいけど、得意じゃない感じですね。
映画監督は大好きなことが仕事になったっていう感じで、カメラはただの趣味です(笑)。
ーーカメラはいつも持ち歩いているんですか？
いつもではないです(笑）。
ーー何かを撮るぞって決めて散歩する感じですか？
そうですね。私、フィルムでばっかり撮っていて、コンタックスとオリンパス ペンと、中判のカメラを使ってるんですけど、5、6年前かな、1週間休みをとって、ロンドンに行って、街を撮ったり、人に話しかけてスナップ撮ったりしました。
ーーストリートスナップですね。
そうですね(笑)。
ーーすごい行動力ですね。
旅行以外にも、撮影現場で人数が多い日は、スナップ撮ったりしますけど、俳優さんは勝手に撮れないことが多いので、カメラをいつも持ち歩かないんです。
だから、私、インスタグラムに写真載せなさすぎて、いつも怒られてるんですよ‥‥(笑)。私のインスタの写真は、ほとんどがマネージャーさんが撮ってくれた写真といっても過言ではないです。
ーーぜひ見たいので載せてください。では、今回の映画タイトルにかけまして、池田さんが「自白しろ」って言われて困る罪ありますか？
家の住所ですかね？(笑)
ーーそれは罪ではないです(笑)。
ええー、罪かぁ‥‥。別の作品ですけど、監督に「痩せるな」って言われたのにダイエット始めました(笑)。監督は、丸い方がいいっておっしゃってるんですけど、私はなんか嫌だと思っていて。このインタビュー読んだらバレて怒られるかも（笑）。
ーーきっと大丈夫です。この作品じゃないから。
バレないですかね(笑)。
ーー最後に、今作『おまえの罪を自白しろ』をご覧になるみなさんにメッセージをお願いします。
政界の話となると、どうしても身構えちゃうのかな？とは思うんですけど、難しいことを抜きにして、エンターテインメントとして、とても迫力とスケールのある作品だと思うので、ヒリヒリしに是非劇場に足を運んでください。劇場だと音がズーンと大きくて楽しいし、なんかアトラクションに乗るような、そんな感覚で来ていただけたらなと思います。
取材・⽂/小倉靖史
撮影/藤本礼奈
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政治家一族の宇田家の次男・宇田晄司は建築会社を設立するも倒産し、あえなく政治スキャンダルの渦中にいる国会議員の父・宇田清治郎の秘書を務め、煮え切らない日々を送っていた。そんなある日、一家の長女・麻由美の幼い娘が誘拐された。
犯人からの要求は身代金ではなく、「明日午後5時までに記者会見を開き、おまえの罪を自白しろ」という清治郎への脅迫。それは決して明かすことが許されない国家を揺るがす”罪”だった。権力に固執し口を閉ざす清治郎 。晄司はタイムリミットまでに罪に隠された真相を暴き、家族の命を救うことができるのか！？
監督：水田伸生
原作：真保裕一「おまえの罪を自白しろ」(文春文庫刊)
出演：中島健人、堤真一、池田エライザ、山崎育三郎、中島歩、美波、浅利陽介、三浦誠己、矢柴俊博、柏原収史、中村歌昇、佐藤恋和、アキラ100%、山崎一、尾美としのり、池田成志、橋本じゅん、春海四方、小林勝也、菅原大吉、升毅、平泉成、尾野真千子、金田明夫、角野卓造
配給：松竹
©︎2023「おまえの罪を自白しろ」製作委員会
公開中
公式サイト omaenotsumi
