Nov 22, 2017 interview

志尊淳×小関裕太対談「今の2人だから話せること」

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──セッションシーン、特に今作の中でも印象的でした。特に細かい指示がなかったのですか?

志尊 もちろんセリフはありますけど、細かい部分は自分たちで足したり。動きも、大まかな流れだけ指示していただいて。実際に楽器を弾いているので、裕太には絶対に負けられないと思ってめちゃくちゃ練習していました。

小関 元々の信頼関係も大きかったし、セッションっていうのはその場の雰囲気で生まれるものだから、そういう空気感を出せるように練習したいなと思っていたら、空き時間などに一緒に練習が出来たんですよ。志尊ちゃんに心の余裕を感じたから、僕も誘いやすくて。

志尊 たぶんそれ、あえて作っていたんだと思う(笑)。だって内心メラメラしてたから。裕太、すごいベースが上手いんですよ。それを見て、明らかに僕のいまの状態じゃダメだと思って、裕太にアドバイスをもらったり、一緒に練習したり。でもそれって、裕太がユズだったから出来たことで、僕、本来はすごく負けず嫌いだから、そんな風には出来なかったと思うんですよ。でも裕太には、一緒に練習しようと言えるっていう。

小関 前に共演したときは、もっとバチバチじゃなかった? “へー、バク転するんだ? じゃあ俺もするぜ”みたいな(笑)。

志尊 そうだね、そんな感じで。一緒に練習はするけど、横目で意識してて。

 

 

──完成した作品を観て、最も共感できると感じたのはどのシーンですか?

志尊 ユズはニノが好きなのに、ニノを影で支える、とにかく歌ってほしいという気持ちを優先していて。でもやっぱりニノを思う気持ちが強くなっていくと、自分の置かれている環境が辛くなってしまうんですね。後半の方でユズがニノへの思いを諦めると感情を吐露する場面があるんですけど、そこはフラットにきれいに演じる方法もあったと思うけど、監督と相談の上、思わず声を荒げてしまうという流れで演じさせてもらったんです。そっちの方が、高校生のリアルな感情なのかな、と思って。気持ちを隠して来たけれど、思わず爆発してしまうところにユズの人間味を感じましたし、共感できると思いました。

小関 僕はセッションのシーンで、ちょっと君のスタイルを見せてくれよっていうスタンスから入って、徐々にいいじゃんそれっていう風に仲良くなっていく感覚がすごく共感できると思いました。僕自身も初対面の方に会ったときに、ただ挨拶をしただけじゃわからなくて、その人だけの持っている個性にときめきを感じて仲良くなりたいなと思ったりするので。楽器を介在していなくとも、日常のあらゆる場面で、ああいう心の通わせ方ってある気がしました。

 

 

──恋愛映画なので、恋のお話も伺いたいのですが、今作の登場人物の中で、この人に思われたらうれしいな、と思う方はいますか?

小関 深桜(真野恵里菜)かな。好きっていう気持ちを押し付けてこないし。

志尊 それわかる。でも、気持ちは伝えてくれるし。

小関 ちょっと上から目線になっちゃうけど、距離感としては深桜くらいがありがたいし、素敵だなと思います。

志尊 ニノだと、ちょっと近すぎるよね。押しも強いし(笑)。

小関 うん(笑)。誰にでもそういう風に接しているんじゃないのって心配になっちゃいそうで。ニノに思われていると、男の方が気持ちが忙しくなっちゃいそうですよね。

志尊 深桜はさっぱりしてるけど、距離感を保ってくれる強さもあるから。

 

 

──ちなみに、ユズやモモみたいな恋の形は共感できますか?

小関 僕だったら、もうちょっと相手に気持ちは伝えたいですね。だから、モモのニノへの接し方は個人的には全く共感できません(笑)。

志尊 だって、会いたくなかったって言われるんでしょ? そんなの絶対に“ハア?”って思っちゃうよね(笑)。素直じゃなさすぎるから、もし付き合ったとしてもその先の苦労が思いやられるよ。

小関 でもさ、そんなモモが自分にだけ素直な姿を見せてくれたらうれしくない?

志尊 いや、見たいよ? でもそこまで持って行くまでが絶対に大変だと思うから。でもさ、いきなりニノの手を握ったり、意外と積極的なところもあるんだよなあ。

小関 そうだよ、結構グイグイ行くんだよ、ああ見えて(笑)。