Nov 15, 2017

インタビュー

『神の雫』原作者・樹林伸が初のワイン小説を執筆!「これ一冊でワインの初歩的な知識が身に付きます」

日本や韓国でワインブームを巻き起こしたワイン漫画『神の雫』。その原作者である亜樹直、本名・樹林伸が初めてのワイン小説『東京ワイン会ピープル』(文藝春秋)をボジョレー・ヌーボー解禁間近の11月15日にリリース。「ワイン上級者はもちろん、“ワインに興味はあるけど難しそう”と感じている人にこそ読んでほしい」と語る樹林伸さんに話を聞きました。

 

──初のワイン小説ですが、構想はいつから練られていたのでしょうか。

『神の雫』は雑誌『モーニング』で連載していたのですが、その当時の『モーニング』は男性読者が中心の漫画雑誌だったんですよね。今は読者が男女半々ぐらいになったと思いますが、女性にも読んでほしいと思ったことと、“漫画を読まない人”って結構いるんですよ。小説と漫画の両方読む人もいますが、漫画しか読まない人、小説しか読まない人と、意外と層が分かれていることに気づいたんです。そう思うと、「漫画は読まないけど、ワインのことを知りたい」という方が読む本が意外と無いなと思って、それからですね。

──主人公も“ワイン初心者”の若い女性という設定ですよね。私自身、とても身近に感じながら読むことができました。

まさにそういう人たちに読んで欲しいですね。ターゲットもはっきり女性にしたので、表紙もブルゴーニュの赤ワインを思わす色の女性を意識したイラストデザインになりました。

 

ワイン会で恥をかかない
基礎知識が身に付きます

 

──登場人物にはそれぞれの秘密が隠されていて、ミステリー仕立てですね。

ワインって少しミステリアスな存在ですから、小説の設定もタイトルを少しミステリアスにしました。だんだんと見えてくる人の謎めいた部分を明かしてく構成にしました。

──ワインの入門書になるような部分も意識されましたか?

そういう部分もありますね。『東京ワイン会ピープル』を読むと、おそらく最低限のワインの知識が手に入ると思うんですよ。ボルドー、ブルゴーニュ、新世界とは何かという初歩的な知識は、ほぼ押さえられるし、ワイン会に呼ばれても恥をかかないレベルの知識が身に付くと思いますよ。

 

 

グレートヴィンテージだけが
いいワインという訳ではない

 

──物語仕立てだと初心者にはよりわかりやすいと思います。よく聞く言葉でも実はちゃんと理解していないこともあるなと思いました。例えば、「ワインの当たり年」と出てきますが、どういうことなのでしょうか。

言い方はいろいろあるのですが、基本的にはある程度果実味だとか味わいの強いものが出来るとき、それは、天候が良くて、でも良すぎもしない、適語にいい、雨も適度に少なく、暖かく、冷えすぎないという条件があるんですよ。全部揃ってると美味しいワインになると。

──「当たり」がすべてではなく、実は「ハズレ」もちょっと美味しいとも書かれていましたよね。

そうなんですよ。この作品の章立てに出てくるワインでも「ドメーヌ・フルーロ・ラローズ・ル・モンラッシェ1991」がありますが、実は全然いい年じゃないですからね。「シャトー・マルゴー1981年」にしても、世間的には「そこそこ」の年です。

──各章のタイトルをすべてワインの銘柄で構成されていて、全5章、つまり合計5本のワインを挙げられています。どのように選ばれたのかお聞かせいただけますか。

必ずしもグレートヴィンテージと呼ばれてるものだけがいいワインだというわけではないというのをお伝えしたかったんですよね。ブルゴーニュがあって、ボルドーがあって、シャンパーニュが入って、ボルドーの甘口いわゆる貴腐ワインで最後にブルゴーニュの白ワインがある。
国際的に見てどれも全て最高の地域のものですから、一番価値のある地域のものです。そこから地域を広げたり、1級シャトーでなくとも2級シャトー、スーパーセカンドと呼ばれるものから、手頃で美味しいワインを味わうこともできます。

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